新米パパの山ブログ

2012年から登山を始めた、新米パパのblogです。

*

トムラウシ山 遥かなる山 ~ 大雪山・十勝岳連峰縦走 2日目 3泊4日 テント泊 ~

      2018/04/15

縦走1日目 旭岳の続き

大雪山・十勝縦走2日目、旭岳から縦走してトムラウシ山に登ってきました~。

大雪山の最深部に位置するトムラウシ山。元火山であるこの山は、同じく火山の旭岳・十勝岳とは異なり、大きな岩が積み重なってできています。鳥海山に似てるかな。
そのため、トムラウシ山の近くはゴツゴツとした岩が多く、独特な景観を作り出しています。

この日は旭岳に近い白雲岳避難小屋から歩き始めました。最初は高山植物が咲き乱れるなだらかな稜線が続くのですが、トムラウシに近づくにつれ段々と岩が増えます。
途中、岩場が作り出す景観から日本庭園やロックガーデンと呼ばれる箇所を通ります。
また湖もあったりと、初日に続きこの日も様々な絶景を見せ付けてくれました。

距離が長くアップダウンも多いので疲れますが、それ以上に満足感のある道でした!

「遥かなるトムラウシ山」

ブログランキング参加中。応援クリックお願いします!

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
<コースタイム>
2017/7/6
白雲岳避難小屋5:35→忠別岳8:15→休憩~8:45→化雲岳11:40→休憩~12:30→ロックガーデン14:05→トムラウシ山15:35→南沼キャンプ指定地16:05

Sponsored Links


 

1.ルート

トムラウシに至るルートは、今回歩いた旭岳・黒岳方面からの大雪山縦走路、十勝岳連峰からの縦走路、沼ノ原からのルート、天人峡からのルート、トムラウシ温泉からのルートがあります。

ルートは豊富ですが、どれも山頂まで時間がかかります。唯一トムラウシ温泉だけ日帰りが現実的かな。
自分は旭岳から十勝岳へ3泊4日で縦走しました。

個人的にはトムラウシ山の山頂から見る景色よりも、遠くから見たトムラウシの姿や変化に富む縦走路のほうが印象的でした。
(山頂からの景色はそんなでもないかな(笑) ほかのピークから結構離れてるんですよね。)

歩行距離:22.7km、累積標高(+):1,555m

今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 大雪山 トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳 (登山地図 | マップル)

 

2.山行記録

北海道遠征 6日目

※縦走一日目の記事はこちら

2日目は4時に起床。北海道は緯度が高いこともあり、4時には明るいです。夜中から風が強く、何回も目が覚めてしまった…

朝ごはんにパスタを食べて、テントを撤収し、5時半にトムラウシに向けて歩き始めます。
湯切り不要のパスタの茹で方はこちらをどうぞ。風が強く撤収に時間がかかってしまった。。

昨日、テント場まで一緒に歩いた たくみ氏は一時間早く出発した様子。
明るくなる前に起きたみたいで、後日こんな素敵な写真を送ってくれました。
彼もミラーレスを使ってるんだけど、どうやったらこんなにうまく撮れるんだろうか…
写真を勉強しないとだなぁ。

テント場から南を見ると早速トムラウシが見えます!ご覧のようにこの日は薄曇りな一日でした。まずは写真左の忠別岳を目指します。

テント場を降りるとすぐに緑岳との分岐。この界隈は黒岳・赤岳・白雲岳など色がついた山が多いですね。

まずは雪渓を下って行きます。稜線の東側は崖、西側は平原と不思議な地形です。奥に波頭のように見えるのは忠別岳。あっちは逆に西側が崖になっています。

忠別岳手前まではなだらかな下り道。朝一の体に優しい!

天気はと言うと、こんな感じで薄曇り。太陽がんばってくれー。ちなみに写真に写っているのは緑岳。
西風が強い一日でした。西から吹く風はオホーツク海から吹く冷涼な風で、気温は低くないものの風が寒かったです。

避難小屋から高根ヶ原まで沢山の花が咲いていました。いくつかご紹介~。

エゾノハクサンイチゲ

ウルップソウ

リシリリンドウ

キバナシオガマ

一番多かったのはチングルマ。

花を見ながら歩いて45分で高根ヶ原分岐。

高根ヶ原は名前の通り真っ平。忠別岳が少しずつ近づいてきました。

東側を見ると崖下に空沼が見えます。あそこは熊の巣窟らしい…

西側を見ると旭岳。そこから続く右の稜線を歩いてきたんですかね。まっすぐこっちまで歩けたら早いのにとか思っちゃダメです(笑)

ここを過ぎると地質が変わるのか、異なる花が登場します。

クロマメノキ

コマクサの群落!

エゾコザクラ

ミヤマオグルマ

普段本州ではなかなか見れない植物が多いですな。

先へ進むと段々とハイマツ帯に。ほんとに枝が這っています。

湿地帯には木道が引かれてます。最低限の手だけが加えられている道。これが本州だったら大渋滞なんだろうなぁ。アクセスの悪さが保全に繋がってるとも言えます。

湿地帯を歩いていたと思ったら、岩の大地になったり。変化に富んでいます。途中緩やかな登りがいくつかありますが、ここまでは歩きやすい道です。
この時はあっという間にトムラウシに着くんじゃないの?!って思ってました。

忠別沼の手前で先に出発してた たくみ氏に追いつきました。相変わらずザックが大きいなwここからは一緒に歩くことに。
一人もいいですが、話せる人がいると辛い道も楽しいですからね!

忠別岳に登る前に、一度忠別沼まで下ります。写真で見返しても雄大な景色ですね♪

こちらが忠別沼。流れがないので飲まない方が良さそうです。ここでパラパラっと降られましたが、すぐに止んでくれました。
この4日間、濡れずに済みました。日程替えてよかった!

忠別岳へはなだらかに登って行きます。

出発して2時間40分、忠別岳に到着~。風が強い!

西側は崖になっていて、ここから見る景色が壮観!
これから歩く化雲岳にいたる稜線の向こうに、トムラウシ山。…ガス晴れないかなぁ。

東側には石狩岳。いつかあっちに登って、大雪山を眺めてみたい!

こちらは二ペソツ山。たくみ氏によると、大雪山以上に人が少ないらしい。行きたいなぁ。百名山だけ登ってる場合じゃない!

距離的にはそこそこ歩きましたが、忠別岳は通過点。菓子パンでエネルギー補給した後に進みます。
次は標高差200mほど下って、五色岳に登り返します。雪渓の横に忠別岳避難小屋が見えますね。このルート、長い登りはないけども細かい登りがちょこちょこあり、少しずつ体力を削られていきます。。

ここでトラブル発生!
なんとカメラのレンズが開かなくなった…まじかorz
一生に一回しかないような縦走中に、、なんで今なの(涙)

替えのレンズを持ってきていないので、ここからは携帯カメラの写真でお送りします。

レンズがお亡くなりになったのが、忠別岳避難小屋との分岐点。

振り返ると忠別岳がカッコいい!とか思って、カメラ出したらレンズが壊れてた…ぶつけたりしてないのになぁ。
替えのレンズかサブカメラを持ってこないと駄目ですねorz

気を取り直して五色岳への登りに取り掛かります。
ハイマツの中の道なので風が通らず、ちょっと暑かった。風があると冷たくて行動中はちょうどよいです。アルプスなら雷鳥がいそうな雰囲気。

分岐から45分で五色岳到着~。トムラウシ山が近い!!山頂は王冠のような形をした先っぽ。これから右側から登って行きます。アップダウンが多そうだ…
まっすぐは行かせてくれないのが北海道の山(笑)
一つずつ乗り越えていきます!

後を見ると忠別岳と旭岳!奥の稜線に近い小屋から歩いてきたので、結構歩いたなぁ。まだコースタイム的に半分だけども。この時間になるとガスも晴れてきました。やっぱり空は青くないとね。

ここで一緒に歩いている たくみ氏が使うパナソニックのミラーレスと自分のオリンパスのカメラにレンズの互換性があることが判明。ここから先、レンズをお借りしました。…本当にありがとう(涙)他にもプラム貰ったり、ゼリー貰ったり、神様のようなお方です!感謝しきれん!

いつもパンケーキレンズを使っているんですが、どやら駆動系が壊れやすいらしい。
山で使っているので、振動あるし砂利も入るだろうし仕方ないのかな…

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm

たくみ氏に借りたのがこちらのレンズ。一台で望遠までこなします。ってか高いんだね。。そんなレンズを貸してくれてありがとう。
Panasonic ルミックス G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.

あまりカメラのことは詳しくないですが、カメラ好きはレンズも複数持ち歩くんですね。
ソロの縦走の時は考えないとなぁ。

お借りしたレンズが大きくすぐにはザックから出せないので、ここからはスマホの写真と共にお届けします。

五色岳から化雲岳の間はほぼ平。尾瀬のような木道があったり、気持ちいい道です。

南側を見ればトムラウシが常に見えるしね!

化雲岳は登らなくても進めますが、せっかくなので寄って行きます。
う~む、今見てもいい道だ♪

五色岳から1時間で化雲岳到着~。岩が目印の山です。

ここから見る景色も素晴らしい!北には旭岳。残雪が緑に映えますね。

南側にはトムラウシ!右奥にガスって見えるのは、明日歩くオプタテシケ山。

西側には天人峡へ向かう道。今回のルートのエスケープルートですが、天人峡までもかなり遠いです。トムラウシはなかなか手強い。
…雪渓が凄いな。

さて、ちょうどお昼なので、ご飯休憩とします。
4日の縦走なので食料も色々考えました。基本、朝夕はお米とパスタ。お昼は手軽く菓子パンやフリーズドライです。

初めてモンベルのフリーズドライを食べましたが、なかなかイケる(笑) 高いけど。

食べ終わったらラスボス トムラウシへ向けて出発!
4.5kmとあるけど、ここから道は険しくなります。

ヒサゴ沼分岐を過ぎ、ゆるやかに下って行きます。ザックからだいぶ荷物がはみ出てますね(笑) 今回も48Lです。大きいザック欲しい!

次第に岩基調な道に。

このままトムラウシの登りに取り掛かるのかと思ったら、一度100mほど降ろされます。。。
北海道の山は雄大なので起伏が少ないように見えますが、結構アップダウンあります。
スケールが大きすぎるのでなだらかに見えるだけ!

鞍部はヒサゴ沼との分岐点。

登り返すとそこは岩の平原。庭園のように岩が積み重なっています。草が生い茂り不思議な景色。

看板がないのでわからないですが、おそらくこの辺りが日本庭園。
モコモコとしてかわいい感じ。

所々池が点在し、コースに涼しい風を吹かせてくれます。
たくみ氏は所かまわず飲みまくってたけど、大丈夫なのだろうか…雪渓も見かけるたびに食べてました(笑)

ふと東側に目をやると、ヒサゴ沼が見えます。小屋も見えました。

トムラウシと聞いて皆さん思い出すのが、2009年の遭難事故だと思います。
Googleで”トムラウシ”と検索しても最初に出るぐらいですからね。。

彼らは初日は白雲岳避難小屋に泊まり、2日目はこのヒサゴ沼泊でした。
3日目に悪天候の中歩き、低体温症で死亡者を出してしまいます。日にちは自分が歩いた時とほぼ同じ7月。
確かにこのコース 見た目以上に疲れる道です。風も常時強く冷たいので、雨が降れば低体温症になるのも納得。

詳細はコチラを読んでみてください。自分も行く前と行った後に読みました。色々と考えさせられます。
トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)

この先も雪渓を歩いたり、岩を伝い歩きしたり、疲労が蓄積していきます。
たくみ氏もお疲れのご様子。

そしてロックガーデンに差し掛かります。この稜線の上まで岩場を登って行きます。(この時写真右上の突起がトムラウシ山頂と思ってたのは内緒w 本物はこの稜線の向こう、まだまだ先です。)

ロックガーデンはこんな感じの岩場。ペンキマークが黄色でコケと同じ色でわかりくにい、かつ数が少ない!
ガスったら迷いそうです。

ロックガーデンを登りきると…トムラウシはまだ遠い(涙) 何回登らせるの…

たくみ氏はバテたご様子。ここで一旦別れ、別々に山頂を目指します。

丘を登りきるとついにトムラウシが目の前に!一枚一皮をめくってようやく実にたどり着いた、そんな気持ちです。
トムラウシ山の前の湖は北沼。風が強く白波が立っています。風速10mはあったと思います。特にこのあたりはよろけるぐらい暴風でした。

近くによるとこんな感じ。波紋が海みたいですね。

沼のほとりには南沼キャンプ指定地と山頂との分岐があります。
8年前はこの辺りから亡くなる方が出たそう。この日も風が強くじっとしているとあっという間に体温を奪われそうです。

さぁここら最後の登り!標高差200mほど。
段差の大きな岩場が続き、風が強かったので写真も撮らずに進みます。

山頂までこんな感じでずっと岩続き。岩場は苦手だぁ。

歩き始めて10時間、トムラウシ山 山頂に到達!!疲れた!

トムラウシ山の山頂は火口壁の上です。火口を見下ろすと、岩でできている山だということがよくわかります。

北側には旭岳。ずいぶん歩いたなぁ。自分史上最長距離だったかもしれません。

東側には石狩岳など。

南西方向には明日歩く十勝岳連峰。待っとけ十勝!十勝方面も登り返しが多そうですね…明日も疲れそうな予感。青い湖は南沼。

さて、風が強く長居が辛いので、降ります。南沼キャンプ指定地までは15分ほど。

16時過ぎにテント場に到着。下から仰ぎ見てもよいですな。

風が猛烈に強く、テント場にいた方に手伝ってもらいながらなんとかテントを張りました。

この日は同じく白雲岳避難小屋から歩いた方1人とトムラウシ温泉から来た人1人、自分たち2人の合計4人でした。
もっといるかなと思ったけど少ないんですね。
同じ日程で十勝まで行くのは、自分とたくみ氏だけ。初日に仲良くなっといてよかった(笑)

その後、なかなか現れないたくみ氏を探しに行ったり、ご飯食べたり、雪渓で水を取ったりして過ごしました。
夕焼けに染まるトムラウシも美しい。テント場はdocomoの電波ありです。

そして19時半に就寝zzz 昨日以上に風が強く、ポール折れるかと思ったよ。。。

縦走3日目・4日目 十勝岳に続きます。

 

3.あとがき

こうして縦走2日目が終了~。

遭難事故の件もあり、ちょこっと緊張しつつ歩きました。
一日風が強かった分、いつもより疲れたかもしれません。

テント場に着いたときは達成感があったものの、まだ折り返し地点なので、翌日に備え早めに寝ました。

実は3日目がコースタイム的に最長区間なんですよね(笑)
ここまでだいぶ疲れたけど、無事に十勝までたどり着けるのでしょうか?!

こうご期待! 3日目に続く…

 

4.装備/持ち物

ウェア
種類 持ち物 使用
シャツ 白馬小屋で購入したシャツ・荒川小屋で買ったシャツ
ソフトシェル パーカ mont-bell ノマドパーカ
ソフトシェル パンツ mont-bell フリーライドパンツ
アンダーシャツ mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ
アンダータイツ mont-bell ジオラインEXP.タイツ
雨具 mont-bell ドライテック レインウエア
ダウン mont-bell スペリオダウンパーカ
靴下 mont-bell WIC.ウォーキング ソックス × 2
ネックウォーマー mont-bell WIC.クール ネックゲーター
帽子 montbell フィッシングハット
ギア/道具/食べ物etc
種類 持ち物 使用
ザック OSPREY ケストレル48
夏靴 mont-bell アルパインクルーザー 2500
軽アイゼン mont‐bell スノースパイク6クイックフィット
ヘッドライト ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ
テント モンベル ステラリッジ テント 2型
グラウンドシート mont-bell グラウンドシート ドーム2型
シュラフ モンベル U.L.スーパースパイラルダウンハガー#3
シュラフカバー mont-bell ブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグ カバー ワイド
マット THERMAREST Z Lite Sol Zライト ソル
ストック モンベル アルパインポール
ストーブ PRIMUS P-153 ウルトラバーナー
ガス缶 PRIMUS GAS CARTRIDGE ノーマルガス(小)
コッヘル snow peak トレックコンボ SCS-010
ライター 100円ライター
カメラ OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット
スマホ Xperia GX SO-04D
モバイルバッテリー Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー
腕時計 LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計
浄水器 SAWYER ミニ 浄水器 SP128
携帯トイレ mont-bell OD トイレキット
汗拭きシート エージーデオ24 クリアシャワーシート
食料 菓子パン4つ・カロリーメイト2つ・米2合・パスタ300g
フリーズドライフード×6・みそ汁・乾燥野菜・缶詰カレー
飲み物 アクエリアス2L・水500ml
日焼け止め ニベアサン プロテクトウォータージェル
地図 山と高原地図 大雪山 トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳 (登山地図 | マップル)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。


応援クリックお願いします↓
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
こんな記事も読まれてます

 - 北海道 , , ,