羅臼岳 ~ 岩尾別温泉 ピストン 日帰り登山 ~
2017/04/26
8月末から9月初めにかけて北海道に遠征してきました~。去年の屋久島に続き、年一回の遠征です!
今回の目的は道東の百名山3座、羅臼岳・斜里岳・阿寒岳です。
北海道は過去に旅行で3回訪れたことがありましたが、登山は初めてです。
この3座はどれも標高1,500m前後の山なので 景色はそれほど期待していなかったのですが、登ってみてびっくり!
どの山も印象的なコース・展望が待ってくれていました!
まずは最初に登った羅臼岳からレポします♪
<コースタイム>
2015/8/28
木下小屋6:10→650m岩峰7:05→弥三吉水7:20→銀鈴水8:00→大沢入口8:15→羅臼平8:50→羅臼岳山頂9:35→休憩~10:30→羅臼平10:55→木下小屋12:40
都内近辺からだと飛行機とレンタカーで登山口まで行く必要があるため、参考までに旅程も書いておきます。
まず計画を立てる段階で、道東3座をまとめてレンタカーで巡ることとしました。
なかなか頻繁に行ける場所ではないので この3座をまとめて登る方が多く、そういうツアーもあったので参考にしました!
登る順番としては一番標高差があり百名山最東端である羅臼岳を最初に、次に斜里岳、最後に阿寒岳と、南西に向かって移動するようにします。
結果、全体の旅程は以下のようになりました~。
初日:女満別空港in→斜里町でガス入手→ウトロ泊
2日目:羅臼岳登山→ウトロ泊
3日目:休息&移動日 清里町泊
4日目:斜里岳登山→阿寒湖泊
5日目:阿寒岳登山→釧路泊
6日目:釧路空港out
休息日や斜里岳・阿寒岳登山後は時間があるので、その時間でおいしいものを食べる日程です♪
1日目
午後便で羽田空港から女満別空港へ移動。空港隣接のレンタカー屋で事前に予約しておいた車を借ります。
北海道は移動距離が長くなるので、多少高めでもハイブリッドカーがオススメ!
飛行機にガス缶を持ち込めないので、まずはホームセンターで調達します。
女満別空港~ウトロ間だと、斜里町のホーマックニコットや坂本ホーマなどのホームセンターで入手可能です。自分は後者で買いました。網走にもお店はあります。
また、食料もウトロのスーパーは18時に閉まってしまうので、斜里町で買出しをしておきました。
ちなみにウトロのセブンイレブンとセイコーマートは夜遅くまで開いています。
そして北海道の山で気になるのは やはりヒグマ・・・
出会わないようにクマ鈴は付けますが、「熊撃退スプレー」なるものを知床自然センターで貸し出しているそうなので借りに行きます。
ウトロの市街地を通り越し、登山口のある岩尾別と知床峠に向かう道の分岐に知床自然センターがあります。
最新のヒグマの出没情報とスプレーの使い方や熊と出会ったときの対処法などを習い、スプレーを借ります。
借りたスプレーはこちら↓ 普通に市販されているんですね。北海道に長期滞在する方は買うのもありです。
カウンターアソールト(COUNTER ASSAULT) 熊よけスプレーCA290 ストロンガー一日1,000円で借りられ、デポジットとして2,000円を預けます。使わなければデポジットは返ってきます!
使うと10,000円で買取なので、なるべく使わずに済みたい・・・
使うにしても10m切らないと効果がないので、本当に襲われる寸前に使うものです・・・
登山道の状況も教えてくれるので、翌日に登られる方は訪れるといいと思います。
この日は知床峠を抜けて羅臼でサンマを食べ、ウトロに戻って泊まりました~。
2日目
5時に起床し、登山口に着いたのは6時。ウトロから20分ぐらいで登山口である岩尾別温泉の一軒宿 ホテル地の涯に着きます。
ホテルの駐車場に停められるのは宿泊者だけです。その他に停められるのは10台弱。自分も含め多くは路駐してました。
登山道はホテルの脇を通って行きます。
ホテル裏には木下小屋があります。こちらは寝袋持参の素泊まりのみの小屋ですが、温泉があります!
道東の山には登山口に記帳するタイプの登山者名簿があります。こちらは阿寒岳のもの。
昼過ぎに下山予定を書いて登山開始!
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 利尻・羅臼 知床・斜里・阿寒 (登山地図 | マップル)
羅臼岳は標高1,660mですが、登山口は標高230mなので標高差が1,400m以上あります。
テント泊装備ではないものの気合入れて歩きます!
この手前にこんな看板があって・・・
気づかなかったけどクマゾーンを歩いていたんですな・・・先に言ってくれ!
昨日自然センターで聞いた話だと今年はあまりこの区間では出てないそうです。
気を取り直して進みます。15分ほどで最初の水場 弥三吉水に到着。
北海道にはキタキツネが生息しエキノコックスに感染する恐れがあるので、直接山から染み出していない水以外は要煮沸です。自分はすべて担いで上がりました。
再び樹林帯を歩き続けます。銀冷水には携帯トレイブースが設置してありました~。
二つ目の水場 銀冷水を過ぎると大沢に出ます。
ここからは高い木がなくなり開けてきます。さすが北海道、森林限界が低い!
ですが、どんよりした天気です。ちょうど雲の中でしょうか・・・この頃は頂上での展望は諦めてましたよ!
こんな時は花を見て癒されます♪大沢から羅臼平間でたくさん見ることができました~。
こちらはエゾコザクラ~。北海道に来て蝦夷の名がつく花を見ると興奮します(笑)
そして本州でもおなじみチングルマ。本州よりも1ヶ月ぐらい季節が遅い感じですね。
この花はきれいだけど名前がわからなかった・・・ ゴゼンタチバナは実をつけていました~。クリスマスっぽい。
大沢の上部には雪渓が残っていました。2日前にこの雪渓にヒグマ居座って、なかなか下山できなかったそうです・・・雪渓自体は短く、ステップもあったのでこの時期はアイゼンなくても登れます。念のために持って行きましたけどね。
雪渓を登りきって少し歩くと傾斜も緩やかになってきます。ふと見上げるとガスが薄くなってる!
これは期待できるかも!と、思った矢先・・・
気を取りなおし、羅臼岳を見ると完全にガスが晴れてます!!よし!
鈴を鳴らしぎみに急ぎ足で進むと、羅臼平に到着。ここも最近ヒグマの頻出スポットです・・・
開けているので休憩に最適ですが、怖いので進みます!
羅臼平はテント場にもなっています。羅臼岳直下で景色は最高なんですがね。。
テント場から離れた場所にはフードロッカーが設置してあります。
テント泊する場合はクマ対策で食べ物をここに入れます。テントと食事場所と食料を置く場所はそれぞれ100m離すよう書いていました。
8月の半ばに近くのテント場で、ヒグマに襲われたテントもあったそうで、、、
本州と違い、北海道の山は人間が自然界にお邪魔していることを強く感じました。けどこういう感じ嫌いじゃないです♪
羅臼平からはこんな感じで山頂が見えます。テント張りたくなる気持ちもわかります(笑)羅臼岳は活火山で、最上部は溶岩ドームです。
山頂に向かって歩き、ハイマツ帯を抜けたところに岩清水があります。
ポタポタと滴っていました。秋には枯れてしまうそうです。
頂上に近づくにつれて岩が大きくなるので、ストックを使う人は岩清水でしまっちゃいましょう!
途中振り返ると三ツ峰がきれいに見えます。はげているところが羅臼平です。
知床半島の先端のほうを見ると・・・半島の左右から雲が湧いていることがわかります。ちょうど半島の真ん中を通る稜線だけ、雲の上です。
さっきまではあの雲の中を歩いていたからガスってたのか~。標高1,660mの山頂からこんなきれいな雲海が見れるとは!
海に突き出た半島ならではの景色です♪
少し待つと稜線がきれいに見えました。奥の砂礫の山が硫黄山です。
羅臼平からこの稜線を通って硫黄山まで縦走することができます。ヒグマさえいなければ行きたかったなぁ・・・おいしそうな稜線なのに。
東を見ると北方領土 国後島が見えます。写真の山は爺爺岳(チャチャダケ)です。羅臼岳よりも高い1,822mです。国後島に自由に渡れるのであれば、きっと百名山に選ばれていたでしょう。きれいな二重式火山だそうです。
また東の麓には羅臼港が見えます。前日にあそこで羅臼昆布を買いました♪
山頂はヒグマの心配はないので、ゆっくり景色を見ながらご飯にします♪
この日は桜海老パスタ!
おなかも満たされ、1時間ボーっと景色を堪能します。
景色がいい山頂だと何時間でもボーっとできるタイプです(笑)
そのうちにツアーの団体が到着して山頂が混んできたので、下山することにしました。
すっきり晴れて知床半島の先端まで見たかった気もしますが、雲海の景色も狙って見れるものではないので大満足です♪
下山も同じコースなので省略~といきたいとこですが、羅臼平まで戻ると話し込む男性二人が立ち往生しています。
追い抜こうとしたところ「あそこにヒグマがいるらしんだけど、見える?」と声をかけられます。
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よくよく見ると羅臼平の開けた休憩場所から30mほどのハイマツの中に黒い影が・・・
正解は~ど真ん中!ちょうどフードロッカーの上あたり!
こちらのことは認識しているようですが、特に向かってくるわけでもなく悠然とハイマツの中を歩いていました。
刺激しないように気持ちゆったりと早く羅臼平を通過しました!あー怖かったー。本当に出るんですね!
これ以降は特に何もなかったので本当に省略~。鈴を強く鳴らしながら下山したことは言わずもがなです(笑)
地図上のコースタイムは8時間弱ですが、休憩を除くと5時間半で歩けました。
やはり前日旅館で寝ると体調がいい♪ ヒグマをびびって早歩きなのもありますが(笑)
少し時間が余ったので、帰りに知床五湖に寄ってきました~。
おまけ 知床五湖
森の中を歩ける地上遊歩道と笹原に作られた高架木道があります。自分は地上遊歩道のロングコース(50分ほど)を歩きました。
地上遊歩道を歩くには初めに簡単なレクチャーを受けます。
こんな感じで道は整備されているのでスニーカーでもOKです。ここも前日にヒグマが出たそうですが・・・
一湖や二湖からは知床連山を見ることができます。上部は雲の中であいにくでしたが、あの雲が絶景を見せてくれたんだなぁと感慨にふけってました。
1時間ほど散策して、知床自然センターで熊撃退スプレーを返し、ウトロの「熊の家」でホッケ定食を食べ、旅館に戻りました。
ウトロで採れたホッケで、大きくてめちゃくちゃうまかった!
ウトロは夜やっている料理屋が少ないので要注意!
こうして無事1座目 羅臼岳は終了~。
雪渓・お花畑・雲海・ヒグマと色々あった山行でしたが、楽しかったです♪
1,660mと言えど、自然豊かな北海道の山の凄さを思い知った一日でした。
かなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき ありがとうございました~。
翌々日の斜里岳に続きまーす。
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