岩手山 暴風吹き荒ぶ雪山 ~ 御神坂登山口ピストン 厳冬期 避難小屋泊 ~
2019/08/26
3月の第2週の土日に岩手山に登ってきました~。
前月の八甲田山の絶景に魅了され、3月も東北の冬山に泊まりで登ってきました。
今回登った岩手山は他の山から何度も見てきた山で、見るたびに期待感を高めていた山です。早く登りたくてたまらなかった!
日帰りで登る人が多いですが、東京圏からだと徹夜で登山口へ向かって日帰りで登ってまた徹夜で帰るのは現実的ではないので、山中で1泊しました。
山頂では自分史上もっと風が強く、体が持ってかれそうになったけど、絶景が見れた楽しい雪山登山となりました~。
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<コースタイム>
1日目 2019/3/9
御神坂登山口7:45→大滝展望台9:50→笠締11:00→不動平避難小屋12:05→休憩~14:20→岩手山14:55→不動平避難小屋16:00
2日目 2019/3/10
不動平避難小屋6:50→大滝展望台8:05→御神坂登山口9:15
1.ルート
岩手山は独立峰に近いので、登山ルートが豊富です。
冬だと我々も登った御神坂ルートで登る人が多いです。東の馬返しルートは登山口からのコースタイムが最短だけど、除雪されていない道を数時間歩くので、冬は御神坂ルートが最短なようです。
今回は不動平避難小屋で一泊する日程としました。
山と高原地図 岩手山・八幡平 秋田駒ヶ岳・姫神山・森吉山 (山と高原地図 5)
2.山行記録
神奈川県を23時に出発、東北道を北上し岩手県を目指します。
盛岡で高速を降り、買い出しをした後 御神坂登山口へ。今回も避難小屋て宴会を予定してます笑
7時過ぎに登山口に付き準備。登山口から山頂が見えるのですが準備してると次第に雲が…しかも風が強そう。
予報だとこの日の午後に風がおさまる予報なので、期待して登り始めます。
初めは樹林の中の道を歩きます。
序盤はゆるゆると標高を上げていきます。ショートカットできる場所があったのでよじ登ってみたら、思いのほか急でしんどかった。。今回は6人パーティーでの登山です。
徐々に傾斜が出てくるもののゆるゆると上がっていきます。
標高1000mあたりからガスの中になり、風も出てきます。ここでアイゼンを装着。
このルート、見どころがないのが辛い。。
振り返れば雲の下に若干 小岩井農場が見える程度。今日登るのは失敗だったか?!
かなり端折ってますが、出発から2時間で大滝展望台に到着。ここで避難小屋まで半分です。
パン休憩をとった後、アイゼンを着けたら進みます。
ここまでは樹林でしたが、徐々に火山らしい景色に変わっていきます。
ゴツゴツとした岩が出始めます。単調な樹林帯より全然いい!アイゼンをひっかけないように慎重に進みます。近頃スパッツに穴が開き始めたんですよねぇ。
ついで笠締に到着。ここから鎖場になります。きっと昔の人はここで笠のあご紐を締めて気合入れたんでしょう。
アイゼンが岩に引っかかって邪魔くさいけど、難しい場所ではありません。適度な緊張感で目が覚めます。鎖はあっても使わなくても通過できるレベル。
笠締を通過すると樹林帯を抜け、吹きっさらしです。視界も悪く我慢の登山。大荷物で登ってますが、緊張感で疲れは感じませんでした。
山が久しぶりのメンバーもおり、休み休み登ります。この天気じゃ急いでも小屋にこもるしかないしね。
みんな日本酒持ったりつまみを持ったり、重装備笑
出発から4時間で鬼ヶ城分岐。標高差1200mを登ってきました。
ここからカルデラにある避難小屋まで下っていくのですが、ガスでルートがわからず。。GPS使って目星をつけて進みます。
この日すれ違ったのは4人。トレースは完全に風に消えてました。
霧の中みんなで声かけつつ探すと小屋がありました!15mぐらい先しか見えないので焦った汗
こちらが今日のお宿、不動平避難小屋です。近くにもっと立派な8合目避難小屋もありますが今回はルート上にあったこちらにしました。
凍った扉を開け荷物を搬入!
小屋は広く詰めれば30人は寝れそうです。トイレも内側にあります。水場はないけど冬は関係なし。風がないのがほんとありがたい!
小屋の中に入っても小屋がガタガタ言うほどの暴風が吹きすさんでいます。
今日はダメだなーと言うことで、みんなでだべっていると…窓の外が急に明るく?!
慌てて外に出てみると風は強いものの青空が見えてます!初めて視界が開けて、小屋から山頂がこんなに近いことを知りましたw
慌ててアイゼンをつけ、山頂を目指します。ここまで展望なく苦しい登山だったからこそ、この青空がありがたい!ちなみに↑写真裏の坂を降りて小屋まで来ました。小屋の立つ位置がカルデラ内であることがよくわかります。
小屋の目の前は地獄谷や御苗代湖への分岐があります。今回は山頂をピストンするだけだけど、いつか八幡平や秋田駒ケ岳へ縦走したい。
岩手山の山頂は二重カルデラになっていて、内側の外輪山に最高点があります。まずは外輪山のお鉢に登ります。空が青い!
お鉢に上がると山頂を捉えました。けど、遮るものがないので風がめちゃくちゃ強い!
エビの尻尾の長さで風の強さが伝わりますかね?!それにしてもさっきまでが嘘みたいに遠くまで晴れ渡ってます。
カルデラの内側には中央火口丘。あちらは立入禁止です。岩手山は活火山なので立入禁止の場所があります。
南西には秋田駒ケ岳が見えます。麓の乳頭温泉に浸かりたい。
西には八幡平まで伸びる稜線が続いています。冬山の景色は尊い!
北には2月に登った八甲田山。青森のど真ん中にドシンと構えてますね。
南側はガスっていて景色は見えず。みんな写真に忙しくなかなか来ない笑 やっと晴れたからね。
時折耐風姿勢をとりつつ進みます。天候さえ良ければ適度な歩きやすい坂道。
避難小屋から30分、山頂に到着〜。晴れてる時に登れて感無量!
使っているゴーグルはこちら。装着中にレンズを浮かすことができるので、バラクラバを着けていても曇りません。
ゴーグルはケチらずにいいのを買いましょう!
山頂まで来ると東側も開けます。眼下には岩手市街地と奥には秋に登ったばかりの早池峰山。近頃はアルプスよりも東北によく出かけています。空いていてまったり登れるのが東北の魅力!ご飯も美味しい!
皆無事につけて一安心。順番に記念撮影です。この二人は登山仲間を通じて出会った新婚さん。夫婦で冬山登るってなかなかレア。
それにしても尋常じゃなく風が強い。時折体が持ってかれます。写真のつぶつぶは風で舞い上がる雪の粒。下からも拭き上げてきます。
最後にみんなで記念撮影!山頂にいるのは我々だけ。冬でもそれほど難易度が高いようには思わないけど、東北に登りに来る人自体が少ないのかな?
そして下山路を相談。風が強いのでこのままお鉢巡りをするか戻るかを相談中。結局、お鉢の2/5ぐらいのとこまで来ているので、そのままお鉢を回って帰ることに。
盛岡市街地へダイブするような道を行きます。風が強く雪はほぼ飛んでしまっています。転げ落ちたら怪我は必須。。
雪煙が舞い上がり幻想な景色。写真で見る分には綺麗だけど、現場は大変でしたよ。。
お鉢は高度感があります。遮るものがなく風が絶え間なく吹き付けます。風が強いと立ってはいられないので、しゃがんだり伏せたりを繰り返します。
自分はやはり風に強いようで、先行してたので皆を待ちます。。転げる山友さんもいたり。。自分史上最も強い風でした。
こっちが火口の中のピーク。立入禁止になってます。有毒ガスが出ているのかな?
お鉢を3/4回ったところでカルデラ内へ進みます。お鉢に比べれば若干風が緩やか。カルデラ内にはお社がありました。
カルデラを突っ切り外輪山に登ると、八合目避難小屋が見えました。避難小屋とは思えないほど巨大な小屋で、冬期も使えます。あっちも泊まってみたい。
我らの宿はこちら。外輪山の際に建っているのがよくわかります。こじんまりしてるけど、キレイな小屋です。(位置的に雪崩れたりしないのだろうか)
高度感ある景色を見つつ、小屋に戻ります。
小屋まで戻って振り返って一枚。諦めかけたけど絶景を見せてくれてありがとう岩手山!
小屋に入って一息ついたら、宴会の開始!夕飯はキムチ鍋。外界で買ってきた地酒をみんなで飲みながらのの楽しい一時。
子供がいると家でキムチ鍋食べられないんですよね。。。
途中外の様子を小屋の入り口から眺めていた山友のヘッドライトが風に飛ばされるアクシデントが…翌日雪の中で奇跡的に見つかりました笑
小屋は快適で、毛布をお借りして暖かく過ごすことができました。
翌日は6時に起きて7時前に下山開始。外に出てみると前日以上にガスっている…
ほんと、昨日のあの時間だけ晴れてくれて良かった。
ガスの中、頭だけ出てる鉄棒を頼りに外輪山を登ります。
外輪山から下り始めると、風の強さが前日以上!写真で見るとコントに見えますが、風上に体を倒してないと歩けません。
時々耐風姿勢をとって風を凌ぎつつ進みます。
割合自分は風に強いので先回りしてパシャパシャ写真撮ってました。…重心が低いんですかねぇ涙
大滝展望台まで来ると雲の下に出て、風が弱まります。一気に平和な世界に。
岩手山から続く山を眺めつつゆるゆると下ります。
避難小屋から2時間半で下山完了〜。上りの半分でした。冬山ってこんなもんだよね。
岩手山を見れば山頂だけ雲の中。なかなかに天気が読みにくい山ですな。
下山後、近くの網張温泉へ。ぬるめの濃い温泉で、長湯できました。隣にスキー場あるし泊まりで来たい温泉です。
お風呂の後は帰り道にある小岩井農場でお昼ご飯を食べます。観光農園になってるんですね、初めて来ました。ピザとソフトクリームと牧場飯を満喫♪
農場から見える岩手山は、すっかり雲がとれ全貌を見せてくれました。岩手山は登る山より見る山かも…
最後に小岩井農場の一本桜に寄ります。よくJRの広告になってる構図ですね。ついさっきまであそこにいたのかぁ。
その後、東北道を南下し帰りました〜。
3.あとがき
自分史上最も強い風に吹かれた登山でしたが、無事に登頂できました。
やはり人気のない冬山って好きです。
今回は岩手山のピークをピストンしただけだけど、お花畑や湖もあるのでまた季節を変えて訪れたいです。
岩手の100名山は八幡平だけ残っちゃったけど、秋田駒ケ岳とか登りたい山はたくさんあるのでまた来ます!
4.装備/持ち物
ウェア
詳細はこちら→雪山装備 ウェア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ハードシェル ジャケット | mont-bell ドロワットパーカ | 〇 |
ハードシェル パンツ | mont-bell アルパインパンツ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | 〇 |
アンダーシャツ | mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ | 〇 |
アンダータイツ | mont-bell ジオラインEXP.タイツ | 〇 |
ダウン | mont-bell スペリオダウンパーカ | 〇 |
ダウンパンツ | mont-bell スペリオダウンパンツ | 〇 |
グローブ | mont-bell OutDry アルパイングローブ | |
グローブ | ショーワグローブ No282 防寒テムレス | 〇 |
靴下 | mont-bell メリノウール アルパイン ハイソックス | 〇 |
スパッツ | mont-bell GORE-TEX アルパインスパッツ イージーフィット | 〇 |
バラクラバ | mont-bell トレールアクション バラクラバ | 〇 |
帽子 | ARC`TEYX ローリング ワード トークR | 〇 |
ギア/道具/食べ物etc
詳細はこちら→雪山装備 ギア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | SPREY ケストレル48 |
〇 |
冬靴 | mont-bell アルパインクルーザー3000 | 〇 |
アイゼン | mont-bell カジタックスLXB-12アイゼン | 〇 |
ピッケル | BlackDiamond レイブンウィズグリップ | 〇 |
サングラス | RIVBOS スポーツサングラス | |
ゴーグル | SWANS ゴーグル ロヴォ [ROV]O | 〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ | |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット | 〇 |
スマホ | VAIO Phone A |
〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー | 〇 |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 | 〇 |
シュラフ | mont-bell UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0 | 〇 |
マット | THERMAREST Z Lite Sol Zライト ソル | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | 〇 |
地図 | 山と高原地図 岩手山・八幡平 秋田駒ヶ岳・姫神山・森吉山 (山と高原地図 5) | 〇 |
飲み物 | ポカリ1.5L | 〇 |
食べ物 | キムチ鍋、菓子パン6個 | 〇 |
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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