八甲田山 朝焼けに染まるスノーモンスター ~ 酸ヶ湯温泉ピストン 厳冬期 避難小屋泊 ~
2019/07/01
2月の第4週の土日に八甲田山に登ってきました~。
去年の9月に草紅葉を見に登ったばかりの八甲田山ですが、スノーモンスターの名所でもあるのでまた冬に出かけてきました。
八甲田山は大陸からの冬風がダイレクトにぶつかるため、過冷却な風が樹にぶつかり大きく樹氷が育ちます。
前々から行きたいと思っており、毎シーズン候補に挙がるものの冬の青森はいつも天気が荒れています…
今回も怪しかったですが、日曜の朝の時間だけ晴れ予報だったので、イチかバチか行ってみました!
さて結果は如何に…
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<コースタイム>
1日目 2019/2/23
酸ヶ湯温泉13:20→仙人岱避難小屋14:50
2日目 2019/2/24
仙人岱避難小屋6:55→大岳7:45→仙人岱避難小屋8:45→休憩~9:20→酸ヶ湯温泉10:15
1.ルート
前回は酸ヶ湯温泉から周回しましたが、今回は酸ヶ湯から仙人岱経由の大岳ピストンにしました。途中の仙人岱避難小屋で1泊です。
冬はこのルートから登る人がほとんど。
2日目はトレースが消えていたので大岳まで直登しました。
山と高原地図 八甲田・岩木山 白神岳・十和田湖・田代岳 (山と高原地図 4)
※寒さでスマホの電源が落ちたので、GPSルートはなしです。
2.山行記録
金曜の夜に新宿を出発し東北道を北上。
5か月振りの青森遠征。やはり遠い…前回と比べてドライバーが一人増えて4人なので、交代しながら仮眠。
9時に到着するものの、この日は山の天気がイマイチなので午前中は食べ歩きに出かけます。
道の駅によってリンゴを食べたり、スーパーで夜の宴会の準備をしたり(笑)
そして11時に早めのお昼ご飯を食べます。やって来たのは青森駅前のおさない。
看板にある通り、ホタテが売りです!食べたのはホタテフライ。甘くて美味しくペロッと食べちゃいました(笑)
お昼ご飯を食べたのち酸ヶ湯温泉へ出発。着いたのは13時過ぎでした。道に雪が多くはないかドキドキしていましたが、きっちり除雪されていて無事に着けました。今年は雪が少ないのかなぁ。
駐車場には20台ほどの車が停まっていました。駐車場の奥には大岳が見えますが…風が強く雲が凄い速さで流れています。この日は雲が取れない予報なので、ゆっくり目のスタートです。翌日の朝が晴れる予報。
準備中に降りてきた方に聞くと、昨日登ってガスで避難小屋に辿り着けずビバークしたそう。そんな過酷なのか。。
初日は仙人岱の避難小屋に泊まる予定で、1時間半のお気楽な行程。
ということで新しいザックを試します!
長期縦走用、冬山テント泊用に大型ザックを買ってみました。
いつも使ってる48Lザックだと、外付けしまくらないと冬テントは厳しかったので。。
買ったのはオスプレーの70Lザック。普段使いのザックもオスプレーで、自然と大型ザックもオスプレーにしました。大手ザックメーカーだけあって痒い所に手が届く機能が沢山です。いずれレビューを書こうと思います。
おニューのザックを背負って13時過ぎに出発!
最初から登り口がわからなかったので、適当に取り付きます。雪が剥げてる所からは硫黄臭が…
先週の八ヶ岳は雪が少なかったけど、さすがに青森は雪が多い!スキーやボードのトレースが沢山です。
冬の八甲田山は登山者よりもバックカントリーの方が多かったです。下りだけ貸して欲しい。
仙人岱の登りは途中から急になります。スコップや宴会の食べ物など荷物多めなのでしんどい(笑)
無雪期はこんな感じ。一度登ったことあるルートだと雪山でもイメージが付きやすい。
休み休み登ってるとボーダーが沢山降りてきます。山スキー/スノボだと多少天気悪くても滑る楽しみがあるからいいですよね。自分は天気悪いと登山しない派です。
仙人岱に上がるとスノーモンスター達がお出まし!なかなかの規模と大きさです。軽く人の背丈を超えています。
風が相当強いのでしょう。モフモフと言うよりガリガリなモンスター。この日も風が強く、じっとしてられない!
初日は天候の回復が見込めないので、モンスターの間から見える避難小屋へ移動。
こちらが本日の宿泊場所の仙人岱避難小屋。左下の板扉を外して中に入ります。
中は両サイドが蚕だなのようになっています。そしてこの小屋は生活感が凄い(笑) 石油ストーブがあったりフライパンがあったり。地元の山岳会が置いているようです。
小屋に入ってもガスは取れないので宴会開始!夕飯のすき焼きをつまみに、持ち込んだシードルや日本酒で乾杯です。
大型のザックにしたこともあり、1合炊きのお釜を持ってきました(笑) ↓写真は家で試し炊きしたときのものです。
すき焼きの後に炊き込みご飯をしました。マイナス10度でも炊けるもんですね。
いつものコッヘルで炊く方法よりもふっくらでした。めちゃうまかった!
これを担いで炊き込みご飯とかカレーとかアレンジを変えて縦走してみようかな…嵩張るけど。
そんなこんなで、うだうだと山トークをしつつ気づけば寝てましたzzz
翌日は夜明け前の6時前に起床。相変わらずガスって10m先も見えない状態。帰りの高速道路移動があるので10時には下山したいねと諦めモードでしゃっべていると、、窓の外が明るくなってきた?!
まさかと思い外に出てみるとめちゃくちゃ晴れてる!!奇跡的な天気の回復具合です。
もうこの景色には下手な解説は不要でしょう。自分の山史上 最高な景色が広がっています。
夜明け前の宇宙を感じさせる景色。この景色は、この時間、この場所でしか感じられない。
空気中の水分量が多いおかげで、空が焼けていました。日本でこんな景色が見られるんですね。肉眼でもこんな感じに見えてましたよ。
仲間たちも絶え間なくシャッターを切ります。風がめちゃくちゃ冷たいんだけど、刻々と変わり行く景色を逃したくないのか、誰も小屋に戻りたがりません。
こんな贅沢な景色の中にいるのは我々だけ。下から1時間半も登れば見れる景色なのに、もったいない!雪山こそ朝の景色ですよ!なかなか泊まるのはハードルが高いのかもしれないけど。
360度画像も是非ご覧ください。
陽が上がり切ったところで小屋に戻り、準備。大岳目指して歩き始めます。
準備をして外に出ると陽の当たり具合が変わり、これまた美しい。
陽が上がり切って朝焼けが終わったころに、ようやくスタート! 雲一つない最高な天気。
誰もいないまっさらな雪原にトレースを付けて行きます。
そうそう今回初導入したザックは雨蓋が取れてサブザックになります。ピッケルホルダーもついていて、OSPREYよくわかってらっしゃる!
風が猛烈に強く、序盤からフル装備です。八甲田山は常に風が強いです。そのため大きなスノーモンスターに成長する一方、冬はなかなか晴れない。
傾斜が急になったところでアイゼンを装着。みんな久しぶりの雪山です。
アイゼン着けている間に振り返ると、素晴らしい雪山の景色。うーむ言葉が出ない!ニョキニョキしているのは全てスノーモンスター。
八甲田山は小さなピークがぽこぽこありますね~。
西側には岩木山。標高1,000mぐらいに帯のような雲があり、いい所が見えない。
雪が最中になっていて歩きづらいけど、景色見てると全く疲れない!みんな写真を撮るのでなかなか進まず(笑)
大岳へは道がよくわからないので一直線に登って行きます。上部は風が強く、雪はボソボソとしています。
冬の那須岳もこんな感じでした。
ウキウキしながら登ること50分。大岳山頂に到着~。景色よくてあっという間でした。
そして山頂まで来ると360度景色が開けます。この劇的に見える景色が変わる瞬間が大好きです!
北側には陸奥湾と青森市街。昨日食べたホタテはあそこで養殖されてるんですな。ちょうど函館に向かう青函フェリーが出航したとこでした。
西には弘前市街の向こうに岩木山。この不思議な雲はなんだろう。
そして南には岩手山。あちらはこの一月後、3月に登ってきました。
最後に山頂の360度画像をどうぞ~。
八甲田山2 – Spherical Image – RICOH THETA
風が猛烈に強く、長居できないので下山します。下りの景色も圧巻です。スノーモンスターに突撃するように下って行きます。青と白しか色味がないのに、どうしてこんな荘厳な景色になるんでしょう。
まだ登って来る人はおらず、この景色は我々だけのもの。八甲田山、泊まりで登るのオススメです!
遥か彼方、見える範囲すべてにモンスター達が立ちすくんでます。八甲田の山域は広いですが道がない場所が多く、冬なら色々歩き回れるらしい。スキーが必要そうだけど。
陽が高くなりモンスターの影が濃くなると、山肌には不思議な模様ができます。ぱっと見、光が当たっている山肌がシャープな氷のとげのようにも見えます。
景色を見ながらの下りはあっという間です。40分ほどで戻ってきました。
小屋に戻って片付けたら酸ヶ湯温泉へ下山します。1泊快適に過ごせました、感謝!
大岳も見納め。頻繁に来れる場所じゃないけど、秋/冬と一生忘れられない景色を見せてくれてありがとう!
大岳に別れを告げ下ります。このぐらいの時間になると、下から上がって来る人がチラホラ。皆さんこの好天に笑顔がほころんでます。上の景色はよかった?と何組にも聞かれましたw
スキーの団体さんも多くいました。このパーティの方達は地元の方で、話してみると 八甲田はいつも曇っていて晴れたのは1か月ぶりだとか。。。そんな日に登れた我々は幸運でしたね!
時間がなかったので温泉の食堂でお昼ご飯。さっきまでの過酷な環境とは一変、極楽な温泉とご飯でした~。
その後、9時間かけて都心へ戻りました~。登山より運転の方が疲れたw
3.あとがき
数年前から悪天で何回も中止になっていた八甲田山にようやく登れました。
2日目の朝だけ晴れる予報だったので急遽避難小屋泊にしたのですが、予想外に神秘的な朝焼けを見れて大満足です。
自分史上5本の指に入る絶景でした。
スノーモンスターの規模は西吾妻山に劣るらしいですけど、誰もいない雪原に立ちすくむモンスター達に囲まれた景色に、日本の自然の凄さを感じました。
近かったら何回も行くのになぁ。温泉も最高だし!
4.装備/持ち物
ウェア
詳細はこちら→雪山装備 ウェア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ハードシェル ジャケット | mont-bell ドロワットパーカ | 〇 |
ハードシェル パンツ | mont-bell アルパインパンツ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | 〇 |
アンダーシャツ | mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ | 〇 |
アンダータイツ | mont-bell ジオラインEXP.タイツ | 〇 |
ダウン | mont-bell スペリオダウンパーカ | 〇 |
ダウンパンツ | mont-bell スペリオダウンパンツ | 〇 |
グローブ | mont-bell OutDry アルパイングローブ | |
グローブ | ショーワグローブ No282 防寒テムレス | 〇 |
靴下 | mont-bell メリノウール アルパイン ハイソックス | 〇 |
スパッツ | mont-bell GORE-TEX アルパインスパッツ イージーフィット | 〇 |
バラクラバ | mont-bell トレールアクション バラクラバ | 〇 |
帽子 | ARC`TEYX ローリング ワード トークR | 〇 |
ギア/道具/食べ物etc
詳細はこちら→雪山装備 ギア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | Osprey バックパック イーサー AG 70 |
〇 |
冬靴 | mont-bell アルパインクルーザー3000 | 〇 |
アイゼン | mont-bell カジタックスLXB-12アイゼン | 〇 |
ピッケル | BlackDiamond レイブンウィズグリップ | |
ストック | モンベル アルパインポール | 〇 |
スノーバスケット | モンベル スノーバスケット | 〇 |
サングラス | RIVBOS スポーツサングラス | 〇 |
ゴーグル | SWANS ゴーグル ロヴォ [ROV]O | 〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ | |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット | 〇 |
スマホ | VAIO Phone A |
〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー | 〇 |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 | 〇 |
シュラフ | mont-bell UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0 | 〇 |
マット | THERMAREST Z Lite Sol Zライト ソル | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
スコップ | 高儀 携帯アルミショベル コンパクト CA-2 | |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | 〇 |
地図 | 山と高原地図 八甲田・岩木山 白神岳・十和田湖・田代岳 (山と高原地図 4) | 〇 |
お釜 | パール金属 釜飯 ご飯鍋 1合 | 〇 |
飲み物 | ポカリ1.5L | 〇 |
食べ物 | シードル、炊き込みご飯、お米、すき焼き具材 | 〇 |
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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