塩見岳 ~ 鳥倉登山口 ピストン 1泊2日 三伏峠小屋 テント泊 ~
2017/11/14
11月の文化の日の連休に、塩見岳に登ってきました~。
塩見岳は南アルプスの中央に位置する3,000m峰で、どっしりとした山容は南アルプスに登れば目につきます。
自分も去年 悪沢岳に登った時に見て以来、登ることを夢見てました。
雪が降るか降らないかの微妙な時期でしたが、天気を見計らって登ってきました。
前日に雪が降ったこともあり、白く雪化粧をした南アルプスの峰々を眺めることができましたよ。
おそらく今シーズンラストの無雪期の3,000m峰登山。
1ヶ月ぶりの登山でヘロヘロになったけど、楽しんできました~。
「晩秋の塩見岳」
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<コースタイム>
2017/11/4-5
1日目:鳥倉駐車場12:30→鳥倉登山口13:15→三伏峠15:55
2日目:三伏峠3:15→本谷山4:10→塩見小屋5:35→塩見岳7:15→塩見小屋8:25→本谷山9:45→三伏峠10:30→テント撤収11:20→鳥倉登山口12:50→鳥倉駐車場13:20
1.ルート
塩見岳を登るルートは主に5つ
・鳥倉林道から登るルート
・塩見新道で登るルート
・仙丈ヶ岳から仙塩尾根を縦走するルート
・荒川岳から縦走するルート
・二軒小屋ロッジから蝙蝠岳経由で登るルート
どのルートもコースタイムで片道8時間以上かかるので、なかなか日帰りは厳しい。
この中で鳥倉林道からのルートが一番アクセスが容易で登る人が多いです。
自分たちも1泊2日で鳥倉林道から歩くことにしました。
このルートは駐車場から標高差1000m上がり稜線に出るところに三伏峠小屋があり、そこでテント泊。
翌日塩見岳までピストンし、テント撤収して下山しました。
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 塩見・赤石・聖岳 (登山地図 | マップル)
2.山行記録
1日目
初日は三伏峠まで上がるだけなので、久しぶりの朝発。
今回は自分がレンタカーを借り、皆さんを拾って中央高速を使い松川ICへ。
連休初日にも関わらず道は空いていて、9:30に松川ICに到着。ちょっと早かったので、インター降りてすぐのところの果樹園でリンゴを買い、近くの温泉施設 清流荘で腹ごしらえ。
登山前にうろうろして、すっかり旅行気分ですが、登山が目的なのでお腹がいっぱいになったら登山口を目指します!
鳥倉登山口は松川町のお隣、大鹿村にあります。松川インターから1時間ちょっと。
途中の鳥倉林道はカラマツの森の中を進みます。ちょうど紅葉の時期で、写真を撮りに来ている人も結構いました。
結局駐車場に着いたのは12時。着いてみると小雨が降ってました。。30台ぐらい停められそうな駐車場にはトイレがあるのですが、閉鎖されてましたorz
小屋閉めと共に、閉められちゃう模様。登山届を提出するポストもありました。
準備をしたら12時30分に登山開始! 遅いけど初日は短いからいいんです!
ちょうど降りてくる方がいて、話を聞いてみると上は吹雪いていたとのこと…
この3連休、初日が天気が良く二日目が雪&暴風、三日目は天気がいいけど風は強いままな予報。
自分達も最初の二日で登る予定でしたが、雪を避け後ろの二日に変更しました。
それでも雪がどのくらい降るか読めないので、状況を見ながら撤退も視野に入れて来ました。
この日降った雪が、明日凍り付いていなければいいんだが…
登山口にも登山届を出すところがありました。舗装路歩きを避けるため、自転車を持ち込む人もいるようですね。ちなみに夏の間は1日2本 バスがここまで通っています。
さて、ここから本格的な登りになります。
まずはカラマツの樹林を歩きます。うーん、ガスってて不安な気分になるw
三伏峠まではこんな感じで標識がついています。どうやら等間隔ではなさそうでした。1/10~3/10までと9/10から三伏峠が長く感じました。
立派な標識と合わせて、緩い標識もあります。あきらかにパワポかエクセルで作ってるでしょ(笑)
時折晴れ間は除くものの、ポツポツと小雨が降り続けます。樹林帯でよかったです。
カラマツの森を抜けると、シラビソの森に変わります。こういう森を見ると南アルプスに来たんだなって思います。
このルートは標高2580mの三伏峠までずっと樹林帯。つまり今日一日樹林帯!こんな道 一人じゃ絶対いやだw
5/10を過ぎると手作り感満載なハシゴが続々と現れます。ガスってていい雰囲気(笑)
6/10を過ぎると今回のルートで唯一の水場 ほとけの清水。
テント場近くの水場は閉鎖されてると張り紙があったので、ここで2L追加。
三伏峠が近づくと段々雪が増え、粉砂糖を振ったような景色になってきました。上はどうなってるんだろう…
1か月ぶりの登山で、冬シュラフやフリースなど装備が多く、9/10あたりから息も絶え絶えorz
なんとか三伏峠に到着!ふー疲れた。ん?日本一高いと言われる峠…自信なさげですな。
こちらが三伏峠小屋。営業は10月までで、この時期は閉まってます。
ですが冬季小屋を開放してくれていて、中にはそこそこ人がいました。トイレは外にあります。
自分は人が密集してると寝付けないのでテントを張ります。張ってる最中に雪が降って来たよ…
この日のテントは6張りでした。
その後、小屋の中で皆で夕飯を食べて19時に就寝zzz
夕飯はご飯を炊いて缶詰カレーを食べました。最近このパターンが多いな。
ご飯の炊き方はこちらをどうぞ。
2日目
翌日は2時過ぎに起床。起きてみるとテント内の結露が凍ってました。朝方の気温はマイナス5℃ぐらい。
それでも冬用インナーとフリースを着て冬用シュラフで寝れば十分暖かかったです。
使っているシュラフはこちら↓
mont-bell UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0
マイナス15℃まではこれで快適に寝たことがあります。
朝ごはんにラーメンを食べ、外に出てみれば満月がキレイでした。昨日とは違って晴れているので、放射冷却で冷えます。
3時20分に出発。日の出は6時ですが、この日のコースタイムが長いのでナイトハイクです。
出発してすぐに小河内岳との分岐。久しぶりに東海フォレストの標識を見ました。一年前の悪沢岳ぶり。昨日天気よければ小河内岳まで足を延ばそうと思いましたが、あいにくの天気で断念しました。
いつか赤石岳まで縦走することが…あるかなぁ。
ここから先、日の出まで真っ暗なので写真が取れず、ポイントだけご紹介。
テント場からちょこっと登ると三伏山。誰かが作った雪だるまがいました。展望がいいので、小屋泊まりの人は晴れていればここで夕暮れを見るといいかもしれません。
そして闇夜の樹林帯を歩き、コルまで降りて登り返すと本谷山。標高差200mを降りて登ってるので、帰りも登り返すのか…
本谷山は疎林に囲まれ風が弱いので、テントが張られていました。
そして再び下って登り、塩見小屋手前で塩見新道と合流します。この手前のゴーロの登りが道がわかりにくかったです。
三伏峠小屋から2時間20分で塩見小屋に到着~。ここももう営業が終わっています。
冬期開放スペースがありますが、これだけ。小屋の玄関の2畳ほどのスペースだけ。
昨日登山口であった男性3人はここをあてにしてきて驚愕としたらしい…この日も着いたときは中でテントを張ってる人がいました。↑の写真は帰りに撮ったもの。
うーん、避難スペースにテントを張るのはいかがなものか…
この辺りで空が明るくなってきました。目に飛び込んで来たのはこれから登る塩見岳!!ここまでろくに景色を見れていないので、感動です。
塩見岳から仙丈ヶ岳に延びる稜線の向こうから日が登ろうとしてました。
反対側を見れば満月に照らされた中央アルプスと飯田の街並み。夜と朝がせめぎ合っています。
しばしパン休憩とします。休んでいるとだいぶ明るくなってきました。
会いたかった塩見岳がこんなに近くに…
右が天狗岩で左が西峰です。きれいな双耳峰に見えますが、西峰の方が全然高いです。
そして最高峰の東峰はここからは見えません。
テンション上がり目に山頂を目指します。が、少し進むと景色がさらに開けます。
再度足を止めて、モーニングショーを見物♪
北側を見ると目につくのが間ノ岳。南側から見るとこんなに堂々とした形をしてるんですね。
こっち側から見る方が断然かっこいいじゃないか! 百名山なのも納得。間ノ岳の左側にちょこんと顔を出しているのが北岳。右側に見切れてるのが農鳥岳。
見てたら白根三山を縦走したくなってきました!
間ノ岳の左には甲斐駒ケ岳。ピラミダルな姿は遠くからでもよくわかります。淡いピンク色の空と、雪が朝日に染められて、幻想的な景色が広がります。
直前まで一日早く登るか迷ったけど、この日を選んでよかった!
甲斐駒ケ岳の左には仙丈ケ岳。3月に登って塩見岳を眺めたのが懐かしい。
南側を見ると悪沢岳と赤石岳。右の白い山は小河内岳。1年前はあっちから眺めてたのかぁ。
一通り眺めたら塩見岳への登りに取り掛かります。岩場の道ですが、それほど難しくはなかったです。
ですが、風が強く耳が痛い。バラクラバを持ってきといてよかった。
垂直に近い所もあったりしますが、これまでの道が単調だったので楽しく登れました。
天狗岩まで来て見上げる塩見岳がなかなかの迫力。冬期は登攀の対象となるのも納得。
何ヵ所か切れ落ちていてイヤなところもありましたが、アイゼン着けずに登れました。
風は強いのでみんなアウターを着こみます。自分は冬用のハードシェル。なぜかみんな青色だった(笑)
昨日は相当な風雪だったんでしょうね~。岩が凍り付いていました。綺麗ではありますが。
…そしてこの日もこの辺で再びバテ始める。なんでだろ…この日は荷物が軽いし昨日は寝れたはずなのになぁ。
皆には先に行ってもらいます。
歩き始めて4時間。西峰に到着~。急に山頂に出てこの景色が広がるのでびっくり。
ここまで富士山は見えていなかったので、感慨も一塩。雲海から頭を出す富士山…来てよかった!
人が立っている所が東峰。あちらの方が5m高いので、早速行ってみることに。
東峰まではすぐに着きます。
山頂からは360度の大展望!!すっかり日が上がり、空が青くなりました。
北には南アルプス北側の山達(左から仙丈ヶ岳・甲斐駒ケ岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳)。
仙丈ヶ岳と甲斐駒ケ岳の間から、蓼科山が頭を出していました。
手前には仙丈ヶ岳まで繋がる仙塩尾根が見えます。いつか歩きたい!!
南側には悪沢岳(左)と赤石岳(右)。南アルプスの良さはこのスケールの大きさと山深さ。
南西方向は三伏峠から悪沢岳に繋がる稜線。白い山が小河内岳。
この道もいつか歩きたいなぁ。右上に扇のように見える山は恵那山。
西側には中央アルプス。越百山から空木岳までは縦走したから、いつか空木岳から木曽駒ヶ岳まで縦走したい。
北西を見れば乗鞍山と北アルプス。
北アルプスをよくよく見ると、槍ヶ岳や奥穂高岳や北穂高岳や常念岳や焼岳などなど北アルプス南部の山々は同定できました。
写真だとわからないかな…今度の冬は雪の北アルプスに行きたいなぁ。
そして東には日本の宝 富士山!! 雲海が素晴らしい! 塩見小屋に泊まればご来光が見れそうですね。南アは富士山が近くていいですなぁ。
風は強いけれどなかなか来れるところではないので、皆写真を撮りまくっていました。
やはり北側の景色が秀逸。
富士山手前に延びる稜線を指差すK氏。時間が許せばこの稜線を歩いて蝙蝠岳まで行ってみたかった。
さて、30分ほど山頂で楽しんだら戻ります。まずは西峰へ。
こちらに三角点があるので3,047mが塩見岳の標高とされていますが、実は東峰のほうが5m高いです。
天気がいまいちかなと思ったけど、最高な天気でいい思い出になりました♪
西峰からは影塩見岳が見れました。冬が近づくと寒くなるけど空気が澄むので、景色的にはいいですよね。
塩見小屋までの下りが、雪が岩に積もって一部凍結していたのでかなり滑りました。慎重に下って行きます。
エビの尻尾が青空に映えます。もうすぐ冬山シーズンだぁ。
塩見小屋ま戻り、再度パン休憩。改めて見ると塩見が神々しく輝いておりました。
帰りも同じ道を戻ります。稜線を見るとピークがいくつかあり、あれを登り返すのか…
道はずっとほぼ樹林帯です。下りはいいペースで歩けるけど、登りはひぃひぃ言いながら歩いてました。明らかに体力が落ちてるorz
時折開けているところがあり、塩見岳や中央アルプスが見れます。
特に三伏山から見る塩見岳はかっこいい。歩きやすい道ではあるので、また縦走しに来てもいいかも。
テント場からは塩見岳が見えてました。昨日は雪で何にも見えなかったのに、数時間でここまで天気が変わるとは。
テントを撤収して、下山します。同じ道なので省略~。下りはまいて降ります。
登山口近くのカラマツが紅葉していてきれいでした。
樹林帯でも晴れてる方がいいですねw
登山口近くには枯れたシモバシラという植物に氷柱ができていました。不思議な光景です。
そして再びの林道歩き。行きはわくわくしながら歩くから長く感じないけど、帰りの林道は…
それでも紅葉がきれいだったから耐えられたかなw
レンタカーを返す時間があるので、急ぎ温泉へ。向かったのは登山口から近い鹿湯温泉 塩湯荘。
塩分濃度が高い珍しい温泉です。舐めたらしょっぱかったです(笑)
その後、時間がないのでコンビニ寄って即高速道路へ。
3連休最終日だからめちゃ混んでた…
本当は鹿焼肉とか温泉から作った塩とか買いたかった!
3.あとがき
累積標高が2,200mあり、コースタイムも長いので辛いのかなぁと思ってたけど、意外と歩きやすい道で体感時間が短い登山でした。
途中でバテたのは何でなのかわからないけど…
おそらく本格的な無雪期登山はこれでおしまい。
今シーズンは天気に泣かされ登りたい山がいくつか登れなかったけど、最後にいい景色が見れてよかったです。
(それほど塩見岳に期待してなかったので、いい意味で裏切られましたw)
塩見岳はまた登ってもいいかなぁ。次は縦走したいな♪
4.装備/持ち物
ウェア
種類 | 持ち物 | 使用 |
ハードシェル ジャケット | mont-bell ドロワットパーカ | 〇 |
ハードシェル パンツ | mont-bell アルパインパンツ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | 〇 |
アンダーシャツ | mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ | 〇 |
アンダータイツ | mont-bell ジオラインEXP.タイツ | 〇 |
ダウン | mont-bell スペリオダウンパーカ | |
グローブ | mont-bell OutDry アルパイングローブ | 〇 |
靴下 | mont-bell メリノウール アルパイン ハイソックス mont-bell WIC.ウォーキング ソックス |
〇 |
バラクラバ | mont-bell トレールアクション バラクラバ |
〇 |
ネックウォーマー | mont-bell WIC.クール ネックゲーター |
〇 |
帽子 | montbell フィッシングハット |
〇 |
ギア/道具/食べ物etc
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | OSPREY ケストレル48 |
〇 |
夏靴 | mont-bell アルパインクルーザー 2500 |
〇 |
軽アイゼン | mont-bell スノースパイク6 |
|
ストック | モンベル アルパインポール | 〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ |
〇 |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット |
〇 |
スマホ | VAIO Phone A |
〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー |
〇 |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 |
〇 |
汗拭きシート | エージーデオ24 クリアシャワーシート | 〇 |
テント | モンベル ステラリッジ テント 2型 |
〇 |
グラウンドシート | mont-bell グラウンドシート ドーム2型 |
〇 |
シュラフ | mont-bell UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0 | 〇 |
シュラフカバー | mont-bell ブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグ カバー ワイド | 〇 |
マット | THERMAREST Z Lite Sol Zライト ソル | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
ストーブ | PRIMUS P-153 ウルトラバーナー |
〇 |
ガス缶 | PRIMUS ハイパワーガス(小) IP-250T |
〇 |
コッヘル | snow peak トレックコンボ SCS-010 |
〇 |
ウォーターキャリア | エバニュー ウォーターキャリー1.5L |
〇 |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | 〇 |
地図 | 山と高原地図 塩見・赤石・聖岳 (登山地図 | マップル) | 〇 |
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