テント泊登山 装備編 ~ 山道具 ~
2018/12/15
山メシのレシピに引き続いて、少しずつですが登山道具の紹介をしていきたいと思います。
山友さんと話をしていて話題になるのが、どんな山に登ったか、今度登りたい山はどこか、雪山はやるのか・・・
そしてテントはやるのか、です!
初回の今回はテント泊装備について書いていきます。
※これまでに訪れたテント場の詳細はこちらをどうぞ。
「北アルプス ヒュッテ西岳 テント場から槍ヶ岳を望む」
登山を始めた当初は、もともとテントなんて高いし重たいし、山小屋泊でいいじゃん!って思っていました。
ですが、富士山に山小屋泊で登った時に、1枚の布団に2人詰め込まれる経験をしてからは、山小屋は避けるように・・・
山小屋泊と比べたときのテント泊のメリット・デメリットを挙げてみます。
メリット
- 自分だけのプライベート空間を確保できる(=混雑がない)
- テント内は他人の目が気にならない
- 小屋よりは静かで他人に起こされない・いびきも聞こえない
- 数回テント泊すれば山小屋泊よりもリーズナブル
- テント場からピストンする時は、荷物を置いていける
- すべて自分の力だけで登山を完結できる達成感が味わえる
デメリット
- 初期投資費用がかかる
- テントや寝袋が重い
- 夏以外は寒い
- 夜は暗い
- 山小屋泊とは違う外来者用のトイレを使用する場合が多い
- 設営/撤収の手間がかかる
- ルート上にテント場がない場合がある
こんなところでしょうか。
費用に関しては10回も止まれば余裕で元が取れるし、寝袋は車中泊に使えるので、むしろメリットです。
何よりも自然に包まれながら、眠りにつくのは癒されますよ♪
前置きが長くなりましたが、今回は道具の紹介をします!
「北アルプス ヒュッテ西岳 テント場から常念岳越しに朝日を望む」
目次
1.テント
テント泊の必須道具、テントから~。
テントメーカーは様々ありますが、よくテント場で見るのはアライテント、モンベル、ヘリテイジでしょうか。DUNLOPは高校の山岳部がよく使っているイメージがあります。
自分が使っているテントはモンベルです。
モンベル(mont-bell) テント ステラリッジテント 2型
「初秋の八ヶ岳 行者小屋テント場」
山岳用のテントはどのメーカーも数万円するので、買うときに迷いますよね。
選択の条件として気になるのが以下でしょうか。
- 定員人数
- 重量
- シングルウォール or ダブルウォール
- 入り口の向き
各項目について自分なりの解釈を書いていきます。
定員人数
当然、少人数用のテントになれば軽くなります。
モンベルのステラリッジで言うと1型(1人用)は1.44kg、2型(1-2人用)は1.57kg。
何人用を買えばいいかですが、2人で泊まる方は2型で決まり!2人でも荷物をテントの中に入れると結構狭いです。
1人でしか泊まらない方でも、重量130gの増加・価格2,500円程度のプラスですから、2型をオススメします。
自分も2型でソロ泊しますが、 テント内で対角線上に寝転んでのびのび快適に過ごすことができます。ザックから道具を出しっぱなしでも十分なスペースがあります。
例えば180cmある方とか、大きな人だと1型は窮屈な気がします。
重量
代表的なメーカー製品を比べてみます。(本記事 執筆時のスペック&価格)
メーカー | 製品名 | 定員 | 大きさ | 重量 | 定価(税抜き) |
モンベル | ステラリッジテント2型 | 2人 | 間口130×奥行210 ×高さ105cm |
1,570g | 38,900円 |
アライテント | エアライズ2 | 2人 | 間口130×奥行210 ×高さ105cm |
1,550g | 44,000円 |
ヘリテージ | エスパース デュオ アルティメイト | 2人 | 間口210×奥行き130 ×高さ110cm |
1,550g | 60,000円 |
正直、メーカーごとの差はあまりないように思います。
耐候性や強度にそれほど差があるように思わなかったので、自分はいつもお世話になっているモンベルのステラリッジにしました。
軽さを求める方は、シェルターやシングルウォールテントを検討した方がいいかも。その場合は、軽さは耐風性や防水性とトレードオフですね。
「北アルプス 紅葉の涸沢カール」
写真に写っている黄色のテントがモンベル ステラリッジ。年々割合が増えている気がします。
緑はエスパースかエアライズ。赤はエアライズ。
シングルウォール or ダブルウォール
テントにはフライなしのシングルウォールとフライつきのダブルウォールがあります。
シングルウォールのほうがフライがない分、安い・軽い・簡単設置のメリットがあります。
ただ、居住性についてはダブルウォールに軍配が上がります。
ダブルウォールテントだと、テント本体とフライシートの間に空間ができるので、そこが緩衝帯となりテント内のコンディションが外気に左右されにくくなります。
具体的には、暑くなりにくい・寒くなりにくい・結露しにくいです。
まぁ、ダブルウォールでも真夏は暑いし、湿度が高い時は結露します(笑)
快適に過ごしたいならダブルウォールにしましょう!
シングルウォール買うならツェルトでいい気がします。
入り口の向き
テントの出入り口の向きには、長辺・短辺の2種類があります。
長辺にあったほうが出入りがしやすいですが、その分前室が膨らむので風に煽られやすいです。
ここは好みですかねー。同じ製品でも年度によって出入り口の向きが変わりますし。
ちなみにテントは風下に向かって出入り口を設置します。
「北アルプス ヒュッテ西岳 テント場から槍ヶ岳を望む」
2.ツェルト
テント以外にもツェルトも選択肢になります。
ツェルトの魅力は何といっても軽さ! 手持ちのストックなどを利用して立てるので、持ち運ぶのは生地と紐だけ。
その代わりペラペラに薄いので寒いですが、風は防げるのでシュラフやウェアを暖かいものを着れば十分寝れます。
テント生地と比べると雨には弱いです。
自分が使っているのはこちら↓
モンベル(mont-bell) テント U.Lツェルト スプリンググリーン
普段はツェルトで泊まることはないですが、3月に仙丈ケ岳に登る時に北沢峠でツェルト泊しました。
冬は雨が降ることがないので、風が弱い場所ではツェルトで十分です。
この日は-10度まで下がりましたが、暖かく寝れましたよ~。
「真冬の北沢峠」
このツェルトは小さいので寝袋とザックを中に入れたらもう一杯です。
居住性はイマイチだけど軽さが魅力なので、今後はツェルト泊も増えそう。
2人で泊まる場合に、ツェルトと2人用テントを持ち込んで、荷物はツェルト・寝るのはテントと分けたりすると軽量化できます。
もちろん、日帰り登山などでも緊急用として持って行っています!
3.グランドシート
テント・ツェルトの次はグランドシートです。
登山用テントは軽量化のためにかなり薄く作られています。
テントサイトは石があったり岩場だったりするため、特に床面は傷みやすく、鋭利な石などで穴が空く可能性があります。
なので、テントの下にグランドシートを敷くことをオススメします。
テントとグランドシートの間に雨や結露がたまらないよう、必ずテントよりも小さめのシートを用意しましょう。
純正品が一番いいですが、重さにこだわらなければブルーシートでも十分。価格と重さを天秤にかけて決めましょう。
ちなみに自分はモンベルの純正品を使っています。
モンベル グラウンドシート ドーム2型
「梅雨の尾瀬沼ヒュッテ キャンプサイト」下にグランドシート敷いているんですがわからないか・・・
雨の日でもテント本体が湿らないので撤収が楽!
また最近山友さんの間で流行っているのが、タイベックス。
◆デュポン™タイベック 透湿・防水・遮熱シート 2m x 1m
もともと工業用資材で、摩耗に強く防水で軽量なシートなので、グランドシート代わりにピッタリ!
安価なので、純正品のグランドシートが高い場合にいいかもです。
4.シュラフ(寝袋)
ここからはテントの中で使用する道具について。まずはシュラフから。
シュラフも色々なメーカーから色々な種類が出ているので、迷うところだと思います。
自分はモンベルのシュラフを2つ持ってます。
・3シーズン用(快適温度 3℃~)
モンベル(mont-bell) 寝袋 アルパイン ダウンハガー800 #3
・冬用(快適温度 -10℃~)
モンベル UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0
このふたつがあれば国内であれば大抵のところは行けます!
冬山やらない人は3シーズン用があれば十分でしょう。着る物で調節できますしね。
山小屋のHPやブログに朝方の気温が載っている事が多いので、シュラフを選ぶときの参考にしています。
暑すぎて死ぬことはないので、迷った時は冬用を持って行きますw
シュラフを選ぶ際のポイントは以下でしょうか。
- メーカー
- 化学繊維(化繊) or ダウン
1つずつ説明していきます。
メーカー
日本の登山道具屋で売っている主なメーカーとして、イスカ、モンベル、ナンガなどなど。
どれも国産メーカーなので、日本人の体格に合ったものを作っています。
なので、どこのを選んでも基本的には外れはないと思います。
自分はモンベル以外のシュラフを使ったことがないので何ともいえないですが、性能はそれほど変わらない気がします。
ただモンベルは快適温度ごとにナンバーが振られているので、わかりやすいです。モンベルのダウンは他社と比べてものがいいと思います。安価だしね。
是非お店で試用してみてください!
サイズもショートサイズもあったりするので、自分に合ったものを選びましょう。
ウェアを調節すれば7月の尾瀬から10月の北岳まで、これで行けちゃいます。
化繊 or ダウン
シュラフは化繊あるいはダウンで作られています。それぞれにメリット・デメリットがあります。
化繊
- 重い
- かさばる
- 洗濯可能
- 濡れても暖かい
- 安い
ダウン
- 軽い
- コンパクト
- 洗濯
- 濡れると保温性がなくなる
- 高い
シュラフカバーがあればシュラフが思いっきり濡れることはないので、ダウン一択だと思います。
キャンプや車中泊用に車に積んでおくのなら、安い化繊もありです!
5.シュラフカバー
次にシュラフカバーをご紹介。
テント内は外より暖かく、人の呼気によって湿度が上がるため、朝方などはテント内が結露します。
ダウンシュラフは濡れると保温力がなくなるため、結露からシュラフを守る必要があります。
そこでシュラフカバーの出番です。
モンベル 寝袋 ブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグカバー ワイド
シュラフカバーを使うと+2℃ぐらい暖かくなります。
夏場はシュラフカバーだけで寝てる人もいますね。
購入の際は使用するシュラフをお店に持っていって、シュラフカバーの中に入れて入ってみましょう。
意外と公式サイズとのズレがあるので、キツキツの場合もあります。
つらつらと書きましたが、冬場にしか使ったことがありません。
夏場はこれまで数十回テント泊していますが、なくて困ったことはいまのところないです。
長期山行をしない・天気が悪い日にテント泊しないのであれば、なくても大丈夫です。
6.マット
そしてシュラフの下に敷くマットも必要です。
テントの床面はグランドシート敷いても、凹凸があります。
またシュラフを直接敷くと、地面の冷気が伝わるため体感温度が下がります。
そこでマットの出番です!
マットにはクローズドセルとエアーマットがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
クローズドセル
- 耐久性あり
- 重い
- かさばる
- 安い
エアーマット
- 穴が空くと使えない
- 軽い
- コンパクト
- 高い
- 寝心地がいい
クロズードセル
クローズドセルは、ウレタンなどの断熱発泡剤でできているマット。
自分が使っているのは定番のTHERMARESTの「Zライトソル」。蛇腹のように畳むことができ、ザックの下や横に付けて歩いています。
同じTHERMARESTから出ているリッジレストも、よく山で持っている人を見かけます。
こちらはロール状に巻くタイプで、かなりかさばります。でも、Zライトソルよりも若干暖かいらしく、安さが魅力です。
THERMAREST リッジレスト
エアーマット
名前の通り空気を入れてふくらますマットです。
そのため軽く、使わないときはコンパクトになります。
モンベル マット U.L.コンフォートシステム エアパッド150
クローズドセルよりもわらかいため、寝心地がよいです。
欠点としては値段の高さと、穴が空く恐れがあり、空いてしまうと使えなくなってしまうことでしょうか。
自分もお金があればエアーマットにしたいです。
「北アルプス 白馬岳頂上宿舎 テント場」
7.ランタン
テント泊では陽がない時間は真っ暗なので明かりが必要です。
ヘッドライトでも十分ですが、テント内全体を照らすためにランタンがあると便利です。
いまはこれをテント内に置いて使っています。
太陽光で発電するので、登山中にザックのメッシュ部分に入れておけばOK。
軽くてかさばらず、光が拡散するのでめちゃ便利です。いまんところ冬山でも使えています。
避難小屋では梁からつるせば、十分に小屋内が明るくなります。
また、ハンドライトはコチラを使ってます。
特別登山用というわけではなく、家にあったものです(笑)
「南アルプス 北沢峠 長衛小屋テント場」
こんな感じで山道具の紹介もして行きたいと思います。
あくまでも個人的な感想を書くので、参考程度に読んでいただけたらなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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