唐松岳 厳冬期 ~ 八方尾根ルート 雪山日帰り登山 ~
2018/01/15
2018年 登り始めは北アルプスの唐松岳に登ってきました~。
唐松岳は後立山連峰に属する山で、百名山で言うと五竜岳と白馬岳の間に位置します。
麓には八方尾根スキー場があるので、冬でもゴンドラ・リフトを利用して山頂を目指す人が多い山です。
雪山上級者でなくても厳冬期に登れるのは、北アルプスだとここと西穂高ぐらいでしょう。
もともとは2泊3日で東北遠征を計画していたものの、天気が悪く断念orz
代替で唐松岳となりました。
なので日程的に余裕があったので、今回はスキー場最上部の八方池山荘に泊まり、翌日にアタック!
登った日は快晴で景色はよかったけど、風が強烈で撤退するパーティが続出。
体力的にも精神的にも疲れましたが無事登頂でき、経験値が一つ増えた登山でした。
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<コースタイム>
2018/1/7
八方池山荘7:45→丸山9:35→唐松岳10:50→休憩~11:35→八方池山荘13:45
1.ルート
唐松岳のメインルートは八方尾根を歩くルートと、後立山連峰を白馬岳or五竜岳から縦走するルートです。
今回歩いた八方尾根ルートは通年でゴンドラが動いているので、一年通して多くの人が歩いています。
自分たちは前日にスキー場を上がったところにある八方池山荘に泊り、山頂をピストンしました。
山荘からずっと森林限界を超えているため、最初から白馬岳や五竜岳を眺めながら歩くことができます。
そして稜線に出れば眼前には剱岳が現れます。つまりずっと展望がいいルートなんです!!
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 白馬岳 (登山地図 | マップル)
2.山行記録
1日目 2018/1/6
前々日の夜中に出発。途中のPAで車中泊し、目指したのは戸隠スキー場。
初日は午後に八方池山荘に着けばいいので、午前中に飯縄山に登ろうとやってきました。
ここのスキー場はちびっこが沢山いて、初心者コースも充実している印象。近くにあれば遊びに来たい、フレンドリーな感じのスキー場でした。
リフトを2本乗り、瑪瑙山から飯縄山を目指します。標識の奥に見えるのが飯縄山。
無雪期なら1時間もあれば登れる道ですが、残念ながら途中で撤退…
実はスキー場に至るまでに車がスリップして、チェーンを着けるのに手間取り時間が足らなくなってしまったorz結局 鞍部を少し過ぎたあたりまで歩きました。ノートレースでワカンをつけての歩行だったので、なかなか疲れたよ。
飯縄山はまた登りに来る!!
下りはリフトに乗れないので1時間ほどかけて降りました。
このスキー場は戸隠山の目の前にあり、こんな景色を見ながら滑れます。雲っちゃってるけど…高妻山も見えましたよー
下山後、戸隠そばを食し腹ごしらえ。急ぎ八方尾根スキー場へ向かいます。
スキー場に着いたのが15時ちょいすぎ。ゴンドラとリフト2本乗り継ぐ必要があるので、この時間に着かないと山荘まで辿り着けません。ギリギリ間に合いました!ここはチケットを買う際に、登山届を出さないと買えないようになっています。
武尊山もそうだったけど、バックカントリーする人が多いのできっちり管理しているのでしょう。
リフトを乗り継ぎ山荘に到着。到着時は暴風で完全なホワイトアウト。
↓は翌日撮った写真ですが、リフト降りても山荘が見えないぐらいでした。
ちなみに1泊2食付きだとモンベルカードで500円引き(9,800円)です。
写真を撮り忘れたけども、4人で予約してたら6畳の部屋を占有できました♪
電話では混雑しているから相部屋になるって言われたけど、満員ではなかったみたいです。
この山荘、水と電気があるので夕飯が豪華!フライヤーがあり揚げ物は揚げたて、そして全てお替りし放題!文句なしに旨かった! この日は大して歩いてないのに食べすぎw
正月太りを解消しようと山に来たのに!!
こんな感じでバイキング形式になってました。泊っている人はスキーヤー3割、登山者7割ぐらいかな。
更にはお風呂もあるので、民宿のような感じ。
さっぱりしたらみんなで食堂でうだうだしてました。たまにはこんなまったりした時間の使い方もいいですねw
その後、21時に就寝zzz
夜中も暴風は吹き荒れ、ガタガタと常に音が鳴り小屋が揺れるほど。翌日小屋の人に聞いたら風速40mは超えてたと…
翌日無事に登れるのかなぁと思いながら眠りにつきました。
2日目 2018/1/7
5:30に起床し、6時に朝食を食べます。
朝ごはんはバイキング形式ではなく、シンプルにおかずが並ぶスタイル。ご飯がすすむおかずが多かったです(笑)
朝食を食べ終わって外に出てみると、ちょうど浅間山の向こうから陽が登ってきました。
振り返ると白馬三山がどん!右から白馬岳・杓子岳・白馬槍ヶ岳。
昨日はガスって全然見えなかったのに…こんなに綺麗に見えるとは!
唐松岳に延びる尾根も赤く染まります。山肌が淡いピンク色に染まっていく瞬間が美しい。平標山を思い出します。
さて、朝焼けを堪能したら山荘に戻り準備をして山頂に向け出発します!
宿泊者は荷物を山荘の鍵無しロッカーに預けることができます。
再度外に出てみると、すっかり色が変わっていました。青空の下の雪原もいい!!
雪はよく踏まれて締まっているので、スタートからアイゼンを履いて歩きます。
使っているアイゼンはこちら↓
mont-bell カジタックスLXB-12アイゼン
使い始めて3年目になり、だいぶ刃先が丸まって来たので正月にヤスリで研いでみました。
果たしてグリップ力は回復しているのか…
南を見れば、鹿島槍ヶ岳(左)と五竜岳(右)!鹿島槍ヶ岳の左は爺ヶ岳かな。
このルートずっと展望がよく、否が応でも北アルプス好きになってしまいますwこの稜線は一昨年・去年と登る計画を立てていたんですが、雨で流れちゃったんですよね(涙)
今年こそは歩きたい!!
最初から景色がいいのでみんな写真撮りまくり。昨日の天気からは信じがたいほど晴れ渡っております。
八方尾根ルートにはいくつもケルンがあります。序盤の稜線は広いので、ガスると道がわからなくなりそう。
振り返れば雲海が広がっていました。ここまではこれ以上ない景色を見せてくれてます。
25分ほど歩き八方山まで来ると尖ったピークがいくつも見えてきました。
うっすらと雲を被ってるピークが丸山でその右が唐松岳。さらに右には不帰キレットが続いています。ちなみに写真に見える小屋はトイレです。ただし冬は使用不能。
トイレの脇にテントを張っている方がいましたが昨日の暴風でも無事なんですね…
トイレを過ぎ第2ケルンのあたりではシュカブラが雪面に刻まれていました。
登るにつれ不帰キレットが近づいてきます。アップダウンがエグいな…
第3ケルンの先には八方池。この時期は雪の下ですが夏には湖面に逆さ白馬が映るそうで、いつか無雪期に来たい。
このルートは基本なだらかな道が続き、所々に短い急坂が現れます。天気がよければ危険箇所なく登りやすい道です。
ただずっと開けた稜線上を歩くことになるので、風をよける場所がありません。
というのも八方池を過ぎてから段々と風が強くなってきました。休めるとしたら↑の写真のダケカンバが生えているところぐらい。
しんどい急坂でも横を見ればこの絶景!たまりません!鹿島槍ヶ岳がエイのように見えますね。
急坂はいいんですが、厄介なのがどんどん強くなる風。先を見れば雪煙が舞い、明らかに風が強いことがわかります。
1時間40分で丸山まで来ました。この辺りになると立ち止まっているのも辛いぐらい暴風が吹き荒れます。
ケルンに隠れて休もうと思ったけど、どこにいても強風に曝される!
この辺りから撤退する人が続出。写真のお二人もここで引き返していました。
よく見ると唐松岳(右のピーク)は風が無さそうで、唐松岳の隣のピークを越えればなんとかなりそう。
じっとしていても辛いので、ガシガシ進みます!基本 風は北側から吹くのですが、たまに渦状にも吹くので気が抜けない。
山友さんは帽子とゴーグルを飛ばされてしまいました。
雪煙が舞うと顔に雪の粒が当たるので痛い。。時折手でガードしながら歩いていました。
サングラスをかけていたんですが、バラクラバをしていると曇る…風が強い時はゴーグルじゃないと駄目ですね。降りてから気づいたんですが、別の山友さんは頬が軽い凍傷に…
突発的に強い風が吹き、耐風姿勢をとらないと立っていられません。
特に後半は道が細い場所もあるので、風が休む間を縫って進みます。改めて写真で見ても、雪煙が凄いな。
岩場も出てきます。難しくはないけど、風が嫌らしい。登りはストックを使いましたが、サイドが切れ落ちているのでピッケルのほうがよかったかもしれない。
岩場を超えると唐松岳頂上山荘のあるピークに出ました。後立山連峰の稜線です。
北を見れば唐松岳!ちょこっと登り返しがあるのね…
この稜線に出ると目に飛び込んでくるのがこちらの景色!!
雪の劔岳~。ただただかっこいいです。いつまでも見てられる景色だけど、山頂までもうちょっとなので先へ進みます。
頂上山荘から先はさっきまでが嘘のように風がなくなりました。少し向きが違うとこうも違うのね…
登り始めて3時間、唐松岳に到着~!!風がなく穏やかなピークです。
そしてここから見る景色が最高♪
まず北側を見ると不帰キレットを挟んで白馬三山!雪の量がすんごいです。
西を見れば毛勝山。あそこからは剱岳がキレイに見えるらしいのでいつか行きたい。
そして奥には日本海が見えます。
南西を見れば雪をまとった北アルプスの名峰達。これを見に来たんですよ!
その中でも剱岳に目が行ってしまう。雪の時期に雷鳥沢に泊まって、立山 別山とか剣御前小屋から眺めに行きたいなぁ。
北方稜線がとげとげしています。
立山と薬師岳もアップでどうぞ。この両山を繋げて歩きたいなぁ。五色ヶ原に行きたい!
そして槍ヶ岳。遠くから見てもわかるやつです。ゴールデンウィークに狙っております。
左のでっかいピークは五竜岳。
五竜岳の手前には唐松岳頂上山荘があります。テント場もあるので泊まってみたい。あそこに泊まれば朝焼けの剱岳が見れますね!
山荘からは先ほどまで歩いていた八方尾根が延びます。なぜにあの尾根だけ暴風なんだろう。。
山荘の後には…八ヶ岳越しの富士山!!2018年 初富士です♪
2週間前に行った赤岳もくっきりわかります。
東には雲海から信州の百名山が頭を出しています。紹介は後ほど。
山頂は風がなく、日差しが心地よくしばしボーっと休憩します。
風が強かったけど全員無事に登頂できてよかった。今回は前泊したので時間に余裕がありましたが、下からリフトで上がるとそれほど余裕がありません。
15:20には下りのリフトが終わってしまうので、日帰りで歩こうとすると許される時間は7時間ぐらい。
夏のコースタイム並みで歩けないと足りないです。
というわけで前泊がオススメw
休憩していると今日リフトで上がってきた人たちも登ってきました。
話してみると皆さん途中で引き返そうか迷ったそう。天気がいいだけに先に進みたい気持ちにもなりますよね。
さて、休憩を終えたら下山します。
帰りも同じ道なので、登りの方と行き交います。ちょうど岩場のところですれ違いが発生し、軽い渋滞となってました。板とマット持ってるこの人はどこからどこまで行こうとしているのだろう…
相変わらず吹きっ曝しの稜線で、待っている間も辛い。
この写真なんかぱっとみ何が何だかわからないw
丸山を過ぎれば風も落ち着きました。
午後になれば風が弱まるという予報通り、下山のほうがまだましでした。
風がなければ冬でも登りやすい山です。
帰りはバックカントリーの人が沢山いました。あの風の中よく歩けるなぁ。
シュプールを見ると、八方尾根の北側に滑り込むんですね。
みんな帰り難いようで、思い思いの場所で止まって景色を見たり写真を撮ったり、バラバラに降ります。
よく見るパーティは一列になって歩いていますが、自分達はそんなことないかなぁ。
特に今回のメンバーは何度も一緒に登ってお互いの力量がわかっているし、それぞれソロで長期縦走するような人たちなので、変な気遣いが不要で いい意味で気が楽です。無論何かあれば協力しますけどね。登山は自己責任が基本で、1人で登れない山はグループでも登ってはダメだと個人的に思う。
午後になると陽の当たり方も変わり、鹿島槍ヶ岳・五竜岳が違う姿を見せてくれます。
今回唐松岳に登って、自分の登りたい山ランキングに五竜岳が急浮上しました(笑)
八方池山荘に近くなると雲海がなくなり、信州の百名山がお目見え。
飯縄山から見るとこの景色が裏側から見えるんでしょうね~。またリベンジします! 見切れてますが雨飾山も見えました。
荷物をピックアップしたらリフトで下ります。
途中のゲレンデからは白馬三山が見えます!なんて絶景なスキー場なんだ…
このスキー場、上部はコブのコースなので難易度高め。ボーダーよりスキーヤー向けと思われます。
なんでここをチョイスしたかと言うと…
露天風呂から白馬三山~五竜岳を眺められるから!スキーヤーで混みあってましたが、登ってきた山を見ながらのお風呂は気持ち良かったです♪
五竜岳を見ると菱形の雪形が見えます。武田の家紋に似ていることから、「御菱」→「五竜」になったとか。
帰りは長野市のジンギスカン街道のむさしやで食べました。
ジンギスカンと言うより、羊肉の焼肉でした。千円ちょっとでお腹いっぱいで大満足。また行きたいw
その後、関越道経由で帰りました~。
3.あとがき
暴風の唐松岳でしたが、無事に登れました。
耐風姿勢で風をやり過ごしたりしたことは、いい経験だったと思います。風速25mぐらいあったのかなぁ。
そうそう、研いだアイゼンはよく刺さり、以前よりも安定して歩けました♪
唐松岳はまた無雪期に行きたいです。五竜岳から縦走したい!
冬でも山頂まで行かなくても八方池あたりまでスノートレッキングするのも楽しいですよ~。半日あれば行けますしね。
今後も無理はせずに、安全登山で登りたいと思います!
4.装備/持ち物
ウェア
詳細はこちら→雪山装備 ウェア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ハードシェル ジャケット | mont-bell ドロワットパーカ | 〇 |
ハードシェル パンツ | mont-bell アルパインパンツ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | 〇 |
アンダーシャツ | mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ | 〇 |
アンダータイツ | mont-bell ジオラインEXP.タイツ | 〇 |
ダウン | mont-bell スペリオダウンパーカ | |
グローブ | mont-bell OutDry アルパイングローブ | 〇 |
グローブ | ショーワグローブ No282 防寒テムレス | 〇 |
靴下 | mont-bell メリノウール アルパイン ハイソックス | 〇 |
スパッツ | mont-bell GORE-TEX アルパインスパッツ イージーフィット | 〇 |
バラクラバ | mont-bell トレールアクション バラクラバ | 〇 |
ギア/道具/食べ物etc
詳細はこちら→雪山装備 ギア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | OSPREY ケストレル48 | 〇 |
冬靴 | mont-bell アルパインクルーザー3000 | 〇 |
アイゼン | mont-bell カジタックスLXB-12アイゼン | 〇 |
ピッケル | BlackDiamond レイブンウィズグリップ | 〇 |
ストック | モンベル アルパインポール | 〇 |
スノーバスケット | モンベル スノーバスケット | 〇 |
ヘルメット | BlackDiamond ハーフドーム | 〇 |
サングラス | OGK KABUTO Binato-5 | 〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ | 〇 |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット | 〇 |
スマホ | VAIO Phone A |
〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー | |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
水筒 | mont-bell アルパインサーモボトル 0.5L | |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | |
地図 | 山と高原地図 白馬岳 (登山地図 | マップル) | 〇 |
飲み物 | ポンジュース1L | 〇 |
食べ物 | 菓子パン4個 | 〇 |
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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