剱岳 ~ 別山尾根ルート 1泊2日 剣沢キャンプ場泊 ~
2017/04/27
立山に登った翌日、9/10に剱岳に登ってきました~。
(一日目、立山の記録はこちら)
日本の測量史で一番最後まで空白地帯として残った山、剱岳。
少し前に登頂の過程を描いた映画「点の記」が公開されたので、山好きなら見た方も多いはず?!(自分は登った後に小説を読み始めました笑)
立山から縦走して初めてその姿を目にしました。名前の通り剱を縦にいくつも並べたかのような姿。ギザギザとした尾根が続き、上部は急傾斜でどこからめ取り付けば登れるのかわからないほどです。
今でこそ鎖やボルトの足場が設置されたおかげで一般登山客も登れますが、なければクライミング技術がないと登頂は難しい山。
明治の測量士が命がけで登っていたことを思うと、この時代に生まれてよかった・・・
そんな山なので最も登られているルート「別山尾根ルート」でも高度感のある道が続き、鎖場が連続、落石の危険もあり、一般ルートで登る百名山の中で一番難易度が高いと言われています。
とは言っても、老若男女多くの人が登っている山です。ある程度山の経験がある方ならば十分に登れます。
山友さんの多くが登っていることを聞いて、少し安心しながらも、適度に緊張しつつ登ってきました~。
「岩と雪の殿堂 剱岳」
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<コースタイム>
2016/9/10
剣沢キャンプ場4:10→剣山荘4:30→一服剱5:00→前剱5:40→平蔵のコル6:15→剱岳6:50→休憩~7:30→剣沢キャンプ場10:20→剱御前小屋11:50→雷鳥沢キャンプ場12:45→みくりが池温泉13:25→室堂駅14:35
現在では色々なルートで登られている剱岳。
一般登山者は、南側から登る別山尾根ルートか、西側から登る早月尾根ルートから登ります。それ以外は雪渓や岩場が連続するバリエーションルート。
早月尾根は標高差2,200mあり、日本三大急登に数えられるほどきついルート。
なので、多くの人は別山尾根ルートから登ります。スタート地点の剣沢からの標高差は600mほどなので、体力的にはきつくなく、難所の鎖場に集中することができます!
自分は前日に立山三山を縦走して剣沢キャンプ場でテント泊。
次の日に剱岳まで軽荷でピストン、テント撤収後 室堂まで戻りました。
後で書きますが、剣沢からの帰り道がなかなかしんどかったです。。体力的にも精神的にも・・・
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 剱・立山 (登山地図 | マップル)
3時に起床し、準備。
うまく写真には撮れなかったですが、快晴で星がきれいに見えました。朝方は6℃ぐらいまで下がっていたと思います。結構寒かった・・・
朝ごはんは中央アルプスから導入したロースターで焼いたトースト!バターを塗っていただきます。
朝はパンでしょう♪普通のバーナーで使えて、軽いのでオススメです!冬はお餅を焼きたいです。
ユニフレーム(UNIFLAME) ミニロースター
4時に出発!軽荷で剱岳へ。夜明け前で暗いので写真を撮れないですが、20分で剣山荘に到着。
ここでレンタルヘルメットを借ります。1日500円です。
小屋で借りたのはこちらのヘルメット↓
BlackDiamond(ブラックダイヤモンド) ハーフドーム
剱岳では9割以上の方が被ってました。最近は涸沢でも推奨されているし、岩場がある山は被ったほうがいいですよね。導入を検討せねば。。
剣山荘裏手から、まずは一服剱に登ります。
段々と空が明るくなってきました。東に見えるのは後立山連峰の山々。昨日とは打って変わって雲一つなく最高の天気!!
真ん中の三峰が爺ヶ岳、左が鹿島槍ヶ岳かな。
山荘からすぐに鎖場が現れます。鎖場にはプレートがついていて、全部で13個だったかな。登りと下りで同じ鎖を使う場所もあるので、往復で18箇所ぐらいです。
剣山荘から20分で一服剱に到着。頂上からは剱御前が眼前に。険しいぞ・・・
まずは鞍部まで下り、標高差200mを登り返します。
振り返るとテントを張っている剣沢が見えます。こんなキレイなカールだったのか!昨日のガスはどこへ行ったんだろうか・・・
前剱の登りから本格的な岩場が始まります。ちょこちょこ渋滞が発生・・・前の方達は山荘に泊まっていた方々。
抜けそうな所で先を行かせてもらいます。この先細く険しい道が続き、さらに渋滞しそうなので。。
3番目の鎖場は下りに補助として使う感じ。この辺りで落石を起こす人もいたので要注意。
剣沢に朝日があたり赤くなってきました。昨日はテント背負って歩いてしんどかったですが、来て良かったと思えた瞬間。といってもこれから難所が待ち構えているわけですがw
4番目の鎖はトラバース気味ですが、持たなくても大丈夫。鎖が新しいので頻繁にかけかえているのかな?助かります。
西を見ると前剱が雲海に影を落としてました。影富士を思い出します。
景色を登りつつ進むと、いつのまにか前剱を越していました。巻き道に入っちゃったのかな・・・
前剱の山頂は写真左奥に人が立っているところです。
ここまで来るとようやく剱岳本峰が目前に。ここから先が別山尾根ルートの核心部なので心して進みます!
その前に幅40cmほどのこれを渡ります。安定していて意外と怖くなかったです笑
橋を渡って鎖場に取り付きます。
見ての通り、前を行く山友banshoさんも鎖を持ちつつ次の足場を探しています。
途中で足場がかなり細くなるので難しかったです。かなり下まで切れ落ちているので、このルートでここが一番怖かった・・
ちなみにbanshoさんとは去年末の奥多摩 御前山ぶり。
がっつり登山をご一緒するのは初めてですが、かなり健脚でした。
鎖を渡り終えると、目の前に鹿島槍ヶ岳から上がってきた朝陽。ふーなんとか生きて渡れたw
ここから先、アップダウンを繰り返しながら進みます。続いて6番鎖場は下り。
下部は段差が大きく、鎖に捕まらないと降りれない感じ。渋滞ポイントです。
7番鎖は岩に打ち込まれたボルトを足場に登って行きます。この辺りになってくるとアスレチック気分で楽しくなってきました笑
よくよく目を凝らしてみると・・・岩をよじ登っている人が見えます。あれが噂のカニのたてばいだな(汗)
人の大きさと比べると、剱岳のでかさがわかります。
ひとまずたてばいのことは忘れて、目の前の道に集中!
8番鎖場はトラバース気味ですが、特に危険ではなかったかな?鎖場を過ぎると平蔵のコルです。
岩場にボルトが打たれていて、鎖を頼りによじ登っていきます。
適度な感覚でボルトがあり岩も掴めるので、そこまで難所に感じませんでした。
後のbanshoさんは余裕みたいでしたwここまで早めに歩いてきたので、自分達の後ろでつっかえることなくゆっくり登れることができました。
こんなところで急かされたくないです汗
こちらがその早月尾根ルート。難所はなさそうですが、長い・・・
そして歩き始めてから2時間40分。憧れの剱岳山頂に到着!!特に危険な思いをせず登ることができました!
山頂からの景色が最高♪
南には剣沢カールと立山三山。その奥には薬師岳や裏銀座の山々。
東から北にかけては後立山連峰がずらっと立ち並びます。
正面は針ノ木岳かな。扇沢から周回で登りたい!
その奥には富士山が顔を出しています。富山からも見えるんですね~。
富士山の左に見えるのは八ヶ岳。右側に見えるのは南アルプス。
ひきで撮るとこんな感じ。右のとんがりが針ノ木岳で左端の三峰が爺ヶ岳。この稜線もいいなー。
さらに北側に視線を移すと・・・
右の爺ヶ岳から中央の鹿島槍ヶ岳、さらに八峰キレットを挟んで左の五竜岳。あちらには翌週行く予定にしてますが、果たして・・・
その北側には唐松岳や白馬三山。唐松岳と白馬三山の間の不帰キレットのギザギザが凄いな。。。
山頂には三等三角点あり。明治に測量官によって初めて剱岳が登頂された際、三角点を担ぎ上げることができず、四等三角点としたそう。
10年ほど前になってヘリで運んだのがこの三角点。そんな歴史を知ってこの場に立つと感慨も一塩。凄い場所に来たもんです。
山頂はそれほど広くないですが、皆さん達成感に酔いしれています♪
ちなみに山頂にはポケモンGOのジムがあるらしいですよ。山友さんが興奮してましたw
自分は剣沢の景色が気に入りました。あー剱御前に登りたかったなぁ。さて、続々と登ってくる&帰り道も長いので、降ります!
下りも岩場・鎖場が多いので、所々詰まります。
まずはカニのよこばい。色々なブログでたてばいと合わせて一番の難所として紹介されている場所・・・
そして水平方向にトラバース。
最初の一歩を置く岩場が見えないので、鎖に掴まりつつ足で探ります。ちょうど前を行くbanshoさんが挑んでいるところ。
矢印の先の赤いラインが足を置くところ。後ろ向きになるのはちょっと怖いですが、難しくはなかったです。
一歩目が置ければ、その後は順々にマーカーやボルトに足を乗せていくだけ。
余裕があれば次の人に足を置く場所をコーチングしてあげましょう!
よこばいを過ぎると、このコース唯一の階段。階段最上段の横のバーが邪魔なんですよね・・・またぎにくい。
階段を過ぎると、こちらもこのルート唯一のトイレがあります。どうやってブツを降ろすんだろう。。担ぐのかな?!
よこばいの後で気が抜けてしまいますが、難所以外での事故が多いらしいので気を引き締めて進みます。
時々すれ違いがあるので、安全な場所で退避。写真のパーティはアンザイレンをしていました。渋滞を発生させてしまうと気を使ってくれているのか、あえて遅く登り始めているのかな?他にもザイルを出してる方もいました。
鎖はありますが、使わずにひょいひょい登れます。ちなみに省略していますが登りと同じ鎖場を通過するところもあります。
平蔵の頭まで戻ってきて改めて剱岳本峰を振り返ります。ここを下るともう見られない景色なんでね。
ゴツゴツしている姿は「岩の殿堂」の名前に相応しい。
お次の13番は前剱岳への登り。登りの鎖はだいぶ耐性がつきました。
前剱岳まで来れば難所終了!だけどテント場遠いな・・・しかもこの剣沢を登り返さなきゃいけないorz
ここからは登りと同じルートなので剣山荘まで省略~。
山頂から2時間で山荘に到着。ヘルメットを返却します。山友さんはTシャツを買ってました。いますぐまた登りたいと言ってたほど、剱岳を気に入ってましたからね。
山荘から見上げる剱御前が美しかった。登りたかったぁ。百高山なのでまた登りに来ないと。。
テン場に戻る前に、banshoさんが剣沢小屋でもTシャツが見たいということで寄ることに。
この小屋前から見る剱岳が素晴らしかった!絵葉書にしたいぐらいです。
真ん中が本峰でその左が前剱。前剱がなければもっと早くに登られていたのかなぁ。
右側の八ツ峰などの峰々が連なります。あそこから登る人もいるというのだから驚き・・・おそろし・・・
テント場に戻って、お昼ご飯食べつつ撤収ー。昨日とは打って変わっていい天気。テントが良く乾きます。
テント場から見上げる別山。昨日晴れていたら剱岳がきれいに見えたんだろうなぁ。
テント場からも剱岳が見えます。
さて、名残惜しいですが帰ります!ここからが長いんですよね。。
まずは剱御前小屋まで標高差300mを登り返します。雷鳥沢までトンネル彫ってくれ・・・雪渓がハート型ですね。
ここから見る剱岳が個人的にはベストショットでした。立山まで来る方にはここまで来て是非この姿を見て欲しい!吸い込まれそうな剣沢の向こうに凛と聳え立つ剱岳。カッコよすぎる・・・ここはまた来たい場所です。
次は雷鳥沢まで標高差500m降りていきます。とても歩きやすい道で飛ばせました♪
途中立山を見ると山頂には雲が・・・結局下から見ることができなかったので、また来ます!
ここから室堂まで再び標高差100m登り返すのですが、まじキツイ・・・もう消化試合モードなので精神的にもやられる・・・
40分でみくりが池温泉に到着。今回はここで汗を流します。ちょっと狭いですが、硫黄成分たっぷりでなかなかのお湯でした♪
その後、室堂まで戻り、行きと同じく乗り物を乗り継ぎ扇沢へ。ただただ長い。。
こうして最高の天気の下、剱岳に登ることができました。
なかなかふんぎりがつかず、登ろうとしてこなかった剱岳でしたが、登ってみるとそれほどでもなかったかな?!
あまり岩場が得意ではない自分でも難しいとは思わなかったです。
でも確かに危険箇所は多いので、安易な気持ちで登るのはNGです。ある程度の経験を積んでからをオススメします。
登らない人でも、是非剱御前小屋からその姿を見て欲しいです!
次登るなら早月尾根からかなぁ。剣沢を下って欅平まで歩くのもいいなぁ。
またこの山域は来ると思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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