紅葉の御嶽山 ~ 中の湯 ピストン 日帰り登山 ~
2018/11/14
10月の体育の日に御嶽山に登りました~。
御嶽山は2014年9月27日に噴火してから山頂付近が閉鎖されていましたが、4年経った今年、期間限定で規制が解除。
その期間の最終日である10月8日に日帰りで登ってきました。
4年前のあの時間、自分は奥穂高岳に登って上高地まで下山している所でした。
登山を始めたころで、御嶽山の名前だけ知っていましたが火山とは知らず、多くの方が亡くなったことに驚きました。
御嶽山は標高3,000mを超える独立峰なので、近くの山に登りその姿は何遍も眺めていました。
今回、登って見て思ったのは、多くの人が訪れるだけの魅力を持った山であることと、この山に神を重ねてしまうほどの荘厳さを持った山であること。
いち登山好きの人間として、色々と考えさせられる一日でした。
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<コースタイム>
2018/10/8
中の湯駐車場4:00→女人堂5:35→石室山荘6:40→剣ヶ峰7:40→二ノ池本館8:30→三ノ池乗越8:55→中の湯駐車場11:30
1.ルート
御嶽山は独立峰だけあり、東西南北 多くの登山道が開かれています。
2018年は二ノ池分岐から山頂に至る道だけ開放されたので、黒沢口から登りました。
ロープウェイは使わず、中の湯から登り、賽の河原まで足を伸ばしました。
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 御嶽山 小秀山・奥三界岳 (山と高原地図 40)
2.山行記録
22時に海老名駅に集合し、中央道で長野県を目指します。
夜入りなので駐車場は余裕で止められると思いきや満車。駐車場から500mほどの場所になんとか路駐できました。
最終日の御嶽山は凄い混んでそうだ…
ロープウェイが動き出すと混みそうなので、4時にスタート!
しばらく暗くて写真が撮れなかったので、帰りの写真を使います。
車から5分ほど歩き、中の湯駐車場へ。トイレありです。昔は温泉があったんですかね??
ヘッドライトを着け駐車場脇から登山道へ入ります。
使っているヘッドライトはこちら。もう5年は使ってるかなぁ。特段明るいわけではないけど、歩く分にはこれで十分です。安いしね。
GENTOS LED ヘッドライト ヘッドウォーズ HW-000X
下りの写真ですが、登ってすぐの所が一番紅葉がキレイでした。さすがに3,000m以上ある高山だけあって、紅葉が早いです。
淡々と夜道を登り、40分で7合目 行場山荘に到着。ここはちからもちが名物なようで、帰りに食べている人が結構いました。
再び暗闇の中歩き続きます。前日まで台風の影響があったのか、所々水たまりがあったりぬかるみが激しかったり。
単調な道なのでだいぶ省略してますが、8合目女人堂近くになると明るくなってきました。振り返ると東の空から陽が上がりそう。
というか、雲海が素晴らしい!
出発から1時間半で女人堂に到着。日の出の時間なのに既に沢山の人がいます。3時に出発する人もいたみたいですからね。今日はおそらく混むでしょうし。
赤く染まり始めた東の空。太陽が雲海から出てこようとしています。
こんなに晴れた登山は久しぶりです。ご来光を見たのも久方ぶり。雲海まで見れて幸先のいいスタート。やっぱり山は朝だなぁ。
振返れば御嶽山も真っ赤に染まっています。白い岩肌が焼けています。写真に写る霊神碑は御嶽教では死後魂は御嶽山に戻ると言われているため、建てられているそう。
すでに標高が高いので気温は2度と低め。じっとしていると寒いです。もういつ雪が降ってもおかしくないんでしょうね。
8合目には霊神碑が多く建てられています。御嶽山は山自体を信仰の対象とする御嶽教の登拝者が多く登る山です。この日も何名か見かけました。山に神を重ねるのは同じ日本人として共感できます。恵みもくれれば、災難も与えてくる神のような存在。
山座同定は山頂で改めて紹介しますが、北を見ると乗鞍岳の向こうに北アルプスが見えます。雲海が絨毯のようですね。
最後に8合目出発前に撮った360度画像をどうぞ!
女人堂 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
8合目からは木の高さが低くなります。道は適度な斜度で山頂まで一直線なので、時間をかけずに標高を稼げます。
標高2,500mを超えると徐々に樹林帯を抜け、ガレ場と変わります。次の目的地9合目石室山荘が見えてますね。
ほんと久しぶりに雲一つない青空!最近は山の予定を立てても、どうせ山替えるんだろうなぁと諦めがちw 晴れてる山に登ればいいんです!
ちなみに後を見ればこんな感じで雲海に中央アルプスが浮かんでおります。疲れなんて吹っ飛びます!
9合目石室山荘は下から見ると要塞のよう。小屋の手前で道は分かれていて、行きは小屋によって行きます。
石室山荘の中は真ん中が通路になっています。山友さんと少し距離が開いたので、ここでパンを食べながら休憩~。
“雲上の宿”の名前の通り、窓からは雲海が見えます。ここで日の出を見ながら朝ごはんを食べたいですね。
噴火の際には多くの方がこの小屋にも避難したそう。ヘルメットが常備されていました。
我々も念のためここでヘルメットを装着。8割ぐらいの人が被ってました。
使ってるヘルメットはこちら。冬山や岩稜の山では必ず被っています。
9合目からは転がっている石のサイズが大きくなってきます。右上に見えるのは覚明堂跡。噴火の跡に廃業してしまった小屋です。これだけの数の小屋があるということは、噴火前は人気があった山なんですね。
そして何度でも振り返ってしまうこの景色。すでに御嶽山に魅せられてしまってます。
覚明堂を過ぎると銅像が立っていました。ここは御嶽山を開山した覚明が埋葬された場所。なので銅像は覚明かな??
分岐からは山頂まであとわずか。標高3,000m近いので息が切れます。
今日は山頂まで行ける最終日なので、多くの人が訪れる予想。前日まで台風の影響があったし。
なので、山頂は12時にクローズと案内が出ていました。実際には11時には分岐から先の道は閉鎖されたそうです。たどり着けなかった人も多くいたとか。
稜線を歩いていると二ノ池が見えてきました。以前はエメラルドグリーン色だったそうですが、噴火後はご覧のような灰色に。奥には二ノ池本館が見えます。後ほど寄る予定。
八丁ダルミへ向かう道は未だに閉鎖中。4年前被害が大きかったのは、火口が近かった山頂と八丁ダルミでした。
山頂直下まで来ると、新たに設置されたシェルターがありました。ここはもともと御嶽頂上山荘があった場所だそう。
シェルターの横には慰霊碑が設けられていました。ここでしばし黙祷をします。先の噴火では57名の方が亡くなり、5名の方が未だに見つかっていません。
被害が大きかったこの辺りまで来ると、噴火の痕跡が見られます。灯篭や狛犬が壊れていたり。
撮影禁止と書かれていたので載せませんが、シェルター前の御嶽剣ヶ峰山荘は噴石でボコボコに壊れていました。
それでも小屋に逃げ込んで、噴石にあたって亡くなった方はいないそう。
歩き始めて3時間40分、最高峰 剣ヶ峰に到着です。山頂は狭く、混みあっていました。皆さん、早起きしたのね。
山頂の標識はこれだけ。以前はちゃんとしたのがあったのだろうか。
山頂にある像は首がもげていました。噴石が当たったんでしょうね。ここ山頂では多くの人が亡くなっています。山頂には社務所しか建物はなく、噴石に曝されたそう。
複雑な気分で登頂しましたが、山頂からの景色はただただ素晴らしい。涸れた一ノ池が眼下に見えます。
北を見れば、二ノ池と二ノ池本館が眼下に見えます。その奥には賽の河原と摩利支天や継子岳。
東側には中央アルプスとその向こうに南アルプス、そして富士山が見えます。
これだけ過去に登った山が御嶽山から見えるということは、もう何べんも別の山から御嶽山を眺めてきたことになります。
一番記憶に残っているのが2年前の冬に木曽駒ケ岳から見た御嶽山。下がその写真。手の届きそうな距離に見えました。この頃は御嶽山に登れる日が来るとは思わなかったよ。
更には南アルプス南部の百名山達 悪沢岳・赤石岳・聖岳も見えます。雲海より上は雲一つない最高な日和です。
山頂の片隅には社務所があります。この社務所の軒下に入って難を逃れた方も居たそう。逆に庇に入れなくて亡くなった方も。
階段を30秒も降りれば小屋があり、一瞬の差が生死を分けたのでしょうか。
ちょうど修験の方が祈られていました。
社務所の奥を覗くと地獄谷が少し見えます。4年前の噴火口はあの辺りです。
最後に山頂の360度画像をどうぞ!空の青さが宇宙を感じさせます。
御嶽山山頂 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
山頂にいるとどんどん人が登ってくるので、山頂に10分ほどいた後 降ります。
このまま降りる前に、少し寄り道していきます。まずは二ノ池方面へ。噴火前はエメラルドブルー色をしていましたが、今はすっかり火山灰の色に染まっています。
池のほとりにある二ノ池本館は建て替え工事中でした。ここも噴石が直撃したそう。
そして二ノ池本館の近くにはもう一軒の小屋 二ノ池新館。ツアーの方が泊まっていたようで準備されてました。
さらに奥に進み、賽の河原へ。ケルンのような小さな石積みが沢山あります。
そして少し登り返すと、三ノ池乗越。賽ノ河原避難小屋があります。御嶽山はほんと建物が短い区間に多くあります。
ここまで来たのはこの三ノ池を見たかったから!みごとなエメラルドブルーな色をしています。まさに火口と言った感じ。
引きで撮るとこんな感じ。標高3,000mの場所にこんなきれいな池があるのが不思議です。その奥には継子岳。
さらに奥の雲海とアルプスといい、神秘的な景色が広がります。御嶽山は南北に長く、標高3,000mぐらいの高地が広がっている不思議な山です。時間が許せばいつか泊まりで来てみたい。
そして振り返れば賽の河原越しの剣ヶ峰。一ノ池が巨大な火口であることがよくわかる景色です。これから登る方には剣ヶ峰までピストンするのではなく、是非見ていただきたい景色です。
三ノ池乗越からは摩利支天山へも道が伸びています。この日は帰りの高速の渋滞が怖いので寄らず。
さて、二ノ池まで戻り下山します。東側に出るとアルプスが浮いたように見えるほどの高度感。…降りたくない!
時刻は9時半。この時間になると雲海が切れてきました。ぽこぽこと雲が浮かんでいます。
石室山荘まで降りてくると、凄い数の人が上がってきました。どうやら始発のロープウェイの人達がここまで来た様子。
下から見ると、まるで富士山の渋滞のよう。まだこの辺はましで、、
上を見ても行列…ペースがゆっくりな人の所で完全に詰まっていました。。
何とかすれ違いをこなしつつ、8合目まで来ました。
9時を過ぎると雲海が細切れになってできたガスが上がってきました。やはり山は空気が澄んで人が少ない朝ですな。帰ってからSNSを見ると、ロープウェイで登った人の多くは時間切れで山頂まで辿り着けなかったらしい。11時には分岐の入場を締め切ってしまったそうです。大渋滞でストレス溜まるし、山頂まで行けないしでカワイソウ…
その後、滑る木製階段に冷や汗をかきつつ、11時半に下山しました~。
駐車場に着くとヘリが資材を運んでいました。まだまだ復旧の工事は続くのですね。
この日のお風呂は、麓の木曽温泉へ。が、イマイチでした。。風呂場が汚く、お湯も熱すぎた。
温泉の前からは御嶽山が見えますが、すっかりガスの中。晴れてたのは早い時間だけだったようです。
さっぱりしたら、お昼は道の駅 日義木曽駒高原でカツ丼を食します。登山後のカツ丼は正義!ですよね?!
その後、中央道で帰ろうとしますが30kmを超す大渋滞。。渋滞を回避すべく山中湖から神奈川県へ抜けて帰りました。
早く小仏トンネル増設されないかなぁ。
3.あとがき
今回しばらくは登れないと思っていた御嶽山に登ることができました。
賽の河原から見る剣ヶ峰や三ノ池、朝焼けや雲海に浮かぶアルプスなど、山の見どころが詰まった山行で、普通の山だったら大満足な一日だったでしょう。山自体は本当に素晴らしく、また時期とルートを変えて再訪したいと思うほど。
しかしながら、何の罪のない多くの登山者が噴火によって命を落としたことは、山を愛する者なら忘れてはなりません。
どんなに準備をしていても、噴火予知が100%でない現代に活火山に登れば いつ自分が同じような場面に遭遇するかわかりません。正直言って運だと思います。噴火してからの避難行動については、運ではない部分もあるでしょうが。
そんなことを思い、何とも言えない気分で登った一日でした。
4.装備/持ち物
ウェア
種類 | 持ち物 | 使用 |
シャツ | 白馬小屋で購入したシャツ | 〇 |
ソフトシェル パーカ | mont-bell ノマドパーカ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | |
ソフトシェル パンツ | mont-bell フリーライドパンツ | 〇 |
雨具 | mont-bell ドライテック レインウエア | |
靴下 | mont-bell WIC.ウォーキング ソックス | 〇 |
帽子 | montbell フィッシングハット | 〇 |
ギア/道具/食べ物etc
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | OSPREY ケストレル48 | 〇 |
夏靴 | mont-bell アルパインクルーザー 2500 |
〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ | 〇 |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット | 〇 |
スマホ | Xperia GX SO-04DVAIO Phone A | 〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー | 〇 |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
ヘルメット | BlackDiamond ハーフドーム | 〇 |
食料 | 菓子パン・ナッツ | 〇 |
飲み物 | アクエリアス2L | 〇 |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | 〇 |
地図 | 山と高原地図 御嶽山 小秀山・奥三界岳 (山と高原地図 40) |
〇 |
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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