平標山 朝焼けに染まる雪原 ~ 平標山の家 避難小屋泊 雪山登山~
2017/04/26
3月第二週の土日、平標山に登ってきました~。
平標山は谷川連峰の西端にあり、なだらかな山容をした山です。
冬期はバックカントリーで有名。また登山する人も多く、日帰りで登られることが主。
けれでも今回は朝焼け夕焼けが見たかったので、泊まりで登ることにしました。
蔵王山で見た夕焼けが想像以上にキレイだったので、朝焼けも見たくなった次第です(笑)
その代わり、冬はあまり歩かれないルートをとることになり、ラッセルがキツかった…
泊まったのは平標山の家。夏は営業小屋で、冬は避難小屋として開放されています。
今回の山行は過去に何回か計画したことがあるものの、平標山が位置する上越国境 谷川連峰は豪雪地帯で、なかなか冬は天気が安定しない。。
今回は運良く晴れ予報だったので、念願かなって行ってきました!
想像以上の景色に出会えました♪
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<コースタイム>
2017/3/11:平標登山口9:00→水場分岐10:50→平標山の家13:20
2017/3/12:平標山の家6:10→平標山7:25→平標山の家8:30→休憩~10:00→水場分岐10:50→平標登山口12:10
1.ルート
冬の平標山に登るルートは主に三つ。
登山者に多く登られているのが松手山コース。最初に松手山まで標高を一気に上げ、気持ちのいい稜線歩きができるコース。
スキースノボでバックカントリーする人が登って滑り降りてくるのがヤカイ沢コース。夏道はついていないですが、冬は適度な斜面なので皆さん登って行きます。滑るには傾斜がほど良いらしい。実際見たら結構な斜度でしたが…
そして今回登ったのが平標山の家を経由する平元新道コース。冬はあまり歩く人がいないです。実際登ってみたらトレースなかった…
今回使用した地図はこちら↓
山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 (登山地図 | マップル)
2.山行記録
1日目
今回は久しぶりに自分がレンタカーを借りて、皆さんを迎えに行きます。
溝の口、高井戸と山友さんを拾って練馬から関越自動車道へ。この時期の関越は混んでますよね…2時間半のところを4時間かかりましたorz
月夜野ICで降りて、国道で三国峠を越えます。苗場スキー場を過ぎ、火打峠のトンネルを出たところに登山口があります。
この日はいまいちな天気ですが、翌日は晴れ予報なので信じて出発します。
小学校脇を通り、平元新道へ。
最初は別荘地を歩きます。この辺りは除雪されているので歩きやすい。
別荘地を抜けると沢沿いの登山道に。最初から雪深く、まともに進めないのでワカンを装着します。前回の蔵王山に続き、大活躍なワカン。雪山は行ってみないと状態がわからないので、装備はなるべく持って行きます。
30分ほど歩くとヤカイ沢分岐。ゲートのようなものがあります。左に曲がるとヤカイ沢。自分たちは直進します。
このルートは平標山の家まで展望がないので淡々と歩きます。雪深そうだったので久しぶりにストックを持ってきました。
ストックがあると腕にも負荷が分散されるので、楽です。
モンベル アルパインポール
これにスノーバスケットを付けています。初めて使いましたが浮力がありなかなか良いです♪
モンベル スノーバスケット
バックカントリーの人は次々と斜面の方へ向かっていきます。正しいトレースがわかりにくい(汗)
空模様は晴れたり小雪が舞ったり。
1時間半ほど歩くと正面に大源太山が見えてきました。
事前の予習でこの看板が出てきたら左折と覚えてきたんですが、曲がる場所がわからない…
近くにあった標識を掘ってみると…矢印がありました!この辺りになるとトレースも薄くなってくるので、わかりづらい。。
ここから登りになります。ワカンをつけて初めて登りましたが、なかなかキツイ。。
ワカンを着けても膝下あたりまで埋まる場所も。ほんとにワカン持ってきてよかった!ツボ足だと登るの無理だった。。
気づくと、トレースがなくなりましたorz 風が強く途中から吹き消されてました。ここでGPSを見てみると、夏道とは一つ隣の尾根を登っている様子…
結局、山の家と平標山の間に出れるようなので、このまま進むことに。
トレースを信用しすぎるのもダメですね。
後ろを振り返ると、上信越の山々。青い空とのコントラストが美しく思わず声が出てしまいました。
白砂山や佐武流山方面かな?
高度を上げるにつれ雪深く、そして風も強くなってきます。
普段先頭を歩くことが多いですが、今回はラッセルがしんどいので先頭を変わりながら歩きます。雪がモフモフで、1歩踏み出せば30cmぐらい足元が埋まります。想像以上に先頭は疲れますよ…
段々と雲の中へ突入。風をよける場所もなく、休憩できずしんどい!
なかなか進めないのももどかしい!
雪の中を喘ぐこと2時間。ようやく稜線に出れました!たった標高差600mの登りにこんなに時間がかかるとは…いい勉強になりました。
そして見えた山頂がこちら!手前ではなく右奥が山頂です。柔らかそうで美味しそうな山容。写真だと晴れてますが、この後すぐに雲の中に入ってしまったので、登頂は明日のお楽しみにすることにしました。
となれば、平標山の家に向かいます。山の家より上部に出てしまったので、稜線を下ります。
下ると山の家が見えてきました。小屋が雪に埋もれたりして使えない場合は、日帰りで下山する必要があります。
ラッセルで時間かかりましたが、無事に帰れる時間には着くことができました。結構ヘコヘコだったので、この日のゴールが近づきガッツポーズしてます(笑)
大源太山に伸びる稜線も美しい~。
歩き始めて4時間半弱、小屋に到着~。2階部分まで雪に埋まっていました。
冬は屋根下についている小窓を開けて中に入ります。
窓から入り階段で中に降ります。ちなみに見える扉はトイレです。トイレは冬期も利用でき、キレイでした。助かります。
小屋の中はご覧の通り非常に綺麗です。写真だと明るいですが、窓が板で塞がれているので入った直後は暗かったです。
なので、まずは塞がれていない窓の外を雪かきします。知らぬ間に雪かきしているところを内側から撮られてました(笑)途中でズボッとはまって動けなくなって焦った!
気温が高くインナーグローブを使うほどでない時や宿泊場所に着いた後は、自分はサブグローブのこれ↓を使っています。
ショーワグローブ No282防寒 テムレス
もともと冬期の工事現場や冷凍庫で使われることを想定しているので丈夫。
しかも1,000円代と安いので、気兼ねなくハードに使えます(笑) テント張る時とかオススメ。色がちょっとアレですけど。
‐10度ぐらいまでならインナーなしでもいけます!
小屋内が明るくなったところで、早めの夕飯にします。この日は皆で材料を持ち寄ってすき焼き!
山で食べるすき焼きは旨い!舞茸が美味しかったなぁ。前回すき焼きをしたのは、金峰山に登る前の‐15度の富士見平小屋。凍えながら食べるすき焼きは辛かった。。
それに比べると、無風の小屋が快適すぎる!
おなかが一杯になったら水を確保します。小屋には水が引かれていますが、この時期は凍結中。
外の雪を融かして水を作ります。初めて作りましたが、意外とすぐ融けてくれました。
作った水にはゴミが多少浮いているので、持ってきたフィルターで濾します。湯たんぽ用の水も含め1.5Lほど作りました。ビニール袋1杯の雪でできました。
その後、夕焼けを見ようと思ったのですが、残念ながら曇って見れず。
特にすることもないので寝ます(笑)
暗くなってから外に出てみると、月がキレイに出ていました。雲が稜線に垂れこめていますね。不思議な光景。しかし夜の写真の撮り方がわからないorz 勉強せねば。
18時半には就寝しましたzzz
2日目
翌日は4時すぎに起床。山友さんはモンベルの寝袋♯3を二枚重ねにして寝てましたが、寒くなかったとのこと。
朝方の小屋の中の気温はおそらく-5℃ぐらい。自分は♯0でぬくぬくでした。
朝ごはんにパンを食べて、5時半に外へ出ます。
既に空は白み始めています。昨日とは違い雲一つない天気! 予報通り!2日目の男健在!(去年の夏から自分が参加する山行は初日ガス、2日目晴れが続いていますw)
東側を見ると谷川岳! 写真だとわかりにくいですが、トマの耳・オキの耳も見えました。
どうやらこっちの方向から日が昇ってきそう。
南には奥秩父山塊の後ろにわずかに富士山が頭を出しています。写真だとわからないかな?!
昨日何も見れなかった分 景色を堪能していると、空が赤みがかってきました。
今年初めて拝む朝日。まさか谷川岳の向こうから上がって来るとは思ってなかったので、感激もひとしお。これが見たくて小屋泊まりにしたんです♪
日の出とともに、周りの山々も淡いピンク色に染まっていきます。
浅間山も頬を赤らめています。
そしてこれから登る平標山もピンク色に。恥じらっているようでなかなか かわいいですw
日の出を眺めているところを撮られていました。
寒いですが、いくらでも眺めていられる景色。泊まり来てよかった。
さて、30分ほど眺めたら日が完全に上がったので山頂を目指します。昨日歩いたトレースは消えてました。
風が弱い滑らかな斜面には、前日にスキーヤーがつけたシュプールが残ります。誰もいない稜線を歩くのは気持ちいい…ですが、ノートレースで所々ラッセルになるのでなかなかしんどい!
山の家から1時間15分で平標山頂に到着~。ワカンを履きながらなので、やはり時間がかかりました。
山頂からは360度の大パノラマ!
西側は松手山からのルート。ご覧の通り展望が開けた道です。日帰りならこちらからがオススメ。
写真に見える方は適当な所でテントを張って来たそう。
西側には苗場山。平な山頂が目立ちます。以前行ったときはガスってたのでまた行きたい山。
北には稜線が伸びています。登山道はついていませんが立派な稜線。
遠くには日本海が見えます。左奥に見えるのは妙高山かな?
北東には谷川岳から延びる稜線。巻機山がどこかにあるはず、だけどわからない。。
この稜線は雪のある時期だけ歩けるらしいです。巻機山も冬に訪れたい一座。
そして東には仙ノ倉岳。なだらかでおいしそうな稜線。平標からは片道1時間弱。
時間が許せば行きたかったですが、この日はおあずけ。(ここまで登って来るだけで疲れたのもありますw)この稜線は谷川岳まで続いています。夏に縦走したいなぁ。
山頂の標識にはエビの尻尾ができていました。風の強さと雪の多さを物語っています。
景色を堪能したら名残惜しいですが下山します。風が強く、じっとしているのが辛い。。
山頂からは小屋めがけて一直線に下るだけです。これ以上登らなくていいので気が楽w
途中振り返って一枚。自分たちがつけたトレースだけが残る雪原。
木道が敷かれているらしいですが、この時期は跡形もない。夏に来て見比べてみたいです。時間が経つにつれ、少しずつ雲が出てきました。
下山はあっという間で、登りの半分の時間 35分で小屋に到着。
下りはワカンを脱いで降りましたが、登りはワカンなしでは無理です! それくらい雪深いです。
小屋前からは谷川岳がくっきり。初めて晴れた谷川連峰に登れましたよ(笑)その後、小屋でご飯休憩~。
昨日作った水ですいすいパスタを茹でます。冬は水を多めにスープパスタっぽく作るのがオススメ!
1時間ほど休んだら、片づけて下山します。帰りの関越道がおそらく混むので…
小屋前の標識を頼りに下山していきます…がトレースなくもちろん夏道は埋まっているので、尾根伝いに降りていきます!
こちらの尾根も雪深く、ワカンを履いていても常時膝下まで埋まります。下手すると股下まで。
下りだから許せますけどね~。
目印のテープを見つけられたのは、この1ヵ所だけ。それ以外は全て雪の下。
それでも降りる方向はわかりやすいです。河内沢まで降りて、あとは沢沿いに来た道を戻るだけ。
太陽を見上げるとHalo(日暈)が出ていました。1月の乗鞍岳でも見たなー。
Haloが現れると天気が下り坂と言われます。確かにこの日は夜から崩れる予報。
無事に沢沿いのトレースまで着いたら、登山口まで淡々と林道を歩きます。
行きは気づかなったけど、苗場山を背にして歩いてたんですね。帰りは苗場山に向かって歩いていきます。
変化のない林道は飽きます…とぼとぼ歩いている横をスキーヤーが颯爽と滑っていきます。
羨ましい…スキー始めようかなぁ。
2時間ほどで下山完了~。この日は天気がいいので、昨日より多くの車が止まっていました。30台ぐらいいました。ほとんどがバックカントリーの人たち。聞いたら下りは30分で降りてこれるそうです。いいなぁ。
下山後のお風呂は群馬県の法師温泉へ。前から気になっていたんですよね~。
お湯は普通でしたが、古くからある温泉でご覧の通り哀愁漂う建物。
お風呂はこんな感じで、明治時代から使われている浴場です。風情満点で、ゆっくり疲れを癒せました。けど洗い場がなかった……ちなみに混浴です。男しかいなかったけど。。女性用のお風呂は別にあります。そっちは洗い場があるそう。
そして、帰り道にあった「はなぞの食堂」でカツ丼を食べて帰りました~。関越道の渋滞がひどく、かなり時間がかかりましたよ。。
3.あとがき
標高2,000mに満たない平標山ですが、思った以上の積雪量でした。さすが上越国境。
初めてワカンを着けて登ったのもいい経験になりました。ラッセルがこんなに大変だとは…
雪山は行ってみないと雪の状態がわからないので、かかる時間も状況によって変わってきますね。
色々と想定して今後臨みたいと思います。
平標山自体は全体的に傾斜が緩く、登りやすい山でした。
そして山の家からあんなにきれいに朝焼けと谷川岳が見れるとは思ってなかったです。
夏はテント泊できるみたいなので、子供が大きくなったら家族でまた来ようかな~。
標高差600m、夏なら登山口から2時間半なので、負荷が大きくなくていいかも。
そして、朝焼けが素晴らしかったです。
優しい山肌が淡いピンク色に染まっていく瞬間が、美しい。寒いのは辛いですが、それ以上の価値がありますよ。
泊まりもオススメです!
4.装備/持ち物
ウェア
詳細はこちら→雪山装備 ウェア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ハードシェル ジャケット | mont-bell ドロワットパーカ | 〇 |
ハードシェル パンツ | mont-bell アルパインパンツ | 〇 |
フリース | mont-bell クリマエア ジャケット | 〇 |
アンダーシャツ | mont-bell スーパーメリノウール EXP.ハイネックシャツ | 〇 |
アンダータイツ | mont-bell ジオラインEXP.タイツ | 〇 |
ダウン | mont-bell スペリオダウンパーカ | 〇 |
ダウン | ユニクロ ウルトラライトダウン | |
グローブ | mont-bell OutDry アルパイングローブ | 〇 |
グローブ | ショーワグローブ No282 防寒テムレス | 〇 |
靴下 | mont-bell メリノウール アルパイン ハイソックス | 〇 |
スパッツ | mont-bell GORE-TEX アルパインスパッツ イージーフィット | 〇 |
バラクラバ | mont-bell トレールアクション バラクラバ | 〇 |
ギア/道具/食べ物etc
詳細はこちら→雪山装備 ギア編
種類 | 持ち物 | 使用 |
ザック | OSPREY ケストレル48 | 〇 |
冬靴 | mont-bell アルパインクルーザー3000 | 〇 |
アイゼン | mont-bell カジタックスLXB-12アイゼン | 〇 |
ワカン | EX’PERT OF JAPAN スノーシューズ SN17 | 〇 |
ストック | モンベル アルパインポール | 〇 |
スノーバスケット | モンベル スノーバスケット | 〇 |
サングラス | OGK KABUTO Binato-5 | 〇 |
ヘッドライト | ジェントス ヘッドライト ヘッドウォーズ | 〇 |
カメラ | OLYMPUS OM-D E-M10 ダブルズームキット | 〇 |
スマホ | Xperia GX SO-04D | 〇 |
モバイルバッテリー | Poweradd Pilot 10000mAh モバイルバッテリー | 〇 |
腕時計 | LAD WEATHER 高度計/気圧計/温度計/天気予測 時計 | 〇 |
シュラフ | mont-bell UL.スーパースパイラル ダウンハガー 800 #0 | 〇 |
シュラフカバー | mont-bell ブリーズドライテックU.L.スリーピングバッグ カバー ワイド | 〇 |
マット | THERMAREST Z Lite Sol Zライト ソル ×2 | 〇 |
ツェルト | mont-bell ライトツェルト | |
ストーブ | PRIMUS P-153 ウルトラバーナー | 〇 |
ガス缶 | PRIMUS ハイパワーガス(小) IP-250T | 〇 |
コッヘル | snow peak トレックコンボ SCS-010 | 〇 |
コーヒーフィルター | メリタ フィルターペーパー | 〇 |
ウォーターキャリア | EVERNEW ウォーターキャリー900ml | 〇 |
日焼け止め | ニベアサン プロテクトウォータージェル | 〇 |
地図 | 山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山 (登山地図 | マップル) | 〇 |
飲み物 | ポンジュース1L | 〇 |
食べ物 | すいすいパスタ・キユーピー あえるパスタソース たらこ・菓子パン4個 | 〇 |
最後まで読んでいただき、ありがとうございました~。
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